2011 Fiscal Year Annual Research Report
知と規範の共有を促進する組織コミュニケーション・モデルの理論的・実証的研究
Project/Area Number |
22530368
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
高尾 義明 首都大学東京, 社会科学研究科, 教授 (90330951)
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Keywords | 経営学 / 経営組織 / コミュニケーション / 規範の共有 / 知の共有 / 経営理念 / エコシステム |
Research Abstract |
本研究では、研究蓄積が進んでいる知の共有と学術的研究の少ない規範の共有を、コミュニケーションを通じた共有という視点から統合的に捉えるべく、以下の3つのサブテーマに取り組んでいる。 3カ年計画の中間年度である平成23年度の各テーマについての成果は以下の通りである。 (a)規範の共有の典型としての経営理念浸透の測定尺度の確立 ・昨年度までの質問紙調査に基づいた論文が『組織科学』(査読付き)に掲載された。また、経営理念浸透に関する総合的な枠組みを提示した学術書を刊行した。また、学会発表も行った(1件)。 (b)知の共有に関する既存モデルを規範の共有に適用する有効性の見極め ・昨年度から知の共有を促進するモデルとして注目してきたビジネスエコシステム・パースペクティブに関する展望論文を執筆し、『組織科学』に掲載された。 (c)知の共有と規範の共有を統合的に扱える組織コミュニケーションのモデル提示 ・知の共有と規範の共有の双方に大きな影響をもたらす組織アイデンティフィケーションに注目し、先行研究のレビューをディスカッション・ペーパーとしてまとめるとともに、学会発表を行った(1件)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サブテーマ(a)は予定よりも早く進行し、概ね完了した。(b)については、視野に入れるパースペクティブを拡大しながら順調に検討が進んでいる。(c)についてはやや遅れ気味であるが、文献レビューは着実に進んでおり、最終年度での挽回が十分可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに実施してきた質問紙調査の分析結果で規範の共有及び知の共有と強い関連性があることが見いだされた(組織)アイデンティフィケーションを鍵概念にして、文献レビューをさらに進めるとともに、その成果をこれまでに収集した質問紙の分析に反映させることによって、規範の共有や知の共有を促進するモデルの構築に活かす。また、時系列的な分析を行うことでモデルの妥当性を検証すべく、過去の質問紙調査を実施した企業に対して再調査について提案を行っていく。
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