2011 Fiscal Year Annual Research Report
製品開発のコンセプト策定における産学連携の意義についての調査研究
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22530394
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中原 秀登 千葉大学, 法経学部, 教授 (60189016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 栄作 千葉大学, 法経学部, 教授 (10366940)
清水 馨 千葉大学, 法経学部, 准教授 (10323388)
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Keywords | 製品コンセプト / ビジョン主導型コンセプト / 産学連携 / 産学共同研究 / 統合型産学共同研究 / 先行開発 / 開発テーマの策定 |
Research Abstract |
本申請研究は、企業の製品開発において開発前段階の製品コンセプトの策定が重要な役割を果たすようになり、かつ開発に当たって科学的知識との接近が進む中で、開発コンセプトの策定における産学連携の果たす意義と課題を、先行研究のサーベイおよび実態調査等を通して体系的に明らかにすることを目的としている。 本年では、開発前段階で策定される製品コンセプトの意義を、なかでもユーザーに新しい価値を提供する企業のビジョンに基づく「ビジョン主導型」のコンセプトが重要となり、それに基づく開発マネジメントのあり方について事例を踏まえて、拙稿「製品開発におけるコンセプト策定」『千葉大学経済研究』2011年9月において明らかにした。 また産学連携については、とくに産学共同研究に焦点をあて、大学の研究成果を企業が持ち帰り、活用する分担型の共同関係の他に、新たな価値をもたらす開発コンセプトを実現するため、研究ポテンシャルを戦略的に相互活用していく統合型の共同関係の特質を明らかにした上で、新製品の開発や新事業の創出に向けて産学共同研究をスムースに推進していく開発マネジメントのあり方について、事例を踏まえて、拙稿「先行開発段階からの産学共同研究のマネジメント」『千葉大学経済研究』2012年3月において明らかにした。 本年度は、製品開発におけるコンセプト策定の意義および産学共同研究の特質を明確にした上で、本申請研究の目的である開発コンセプトの策定における産学連携の果たす意義と課題を分析する基礎固めを行った点で意義がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現段階では、製品コンセプトの策定および産学共同研究の基本的な意義を先行研究のサーベイおよび事例研究等を通して整理するなど、開発コンセプトの策定における産学連携の果たす意義と課題を体系的に明らかにすることを目的とした本申請研究において一応の基礎固めが行われたため。
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Strategy for Future Research Activity |
開発コンセプトの策定における産学連携の果たす意義と課題を分析していく上で、本来質問紙調査を予定していたが、開発コンセプトを開発活動へつなげていくには、開発テーマへ具体的に落とし込んでいくことが不可避となる。したがって次年度以降、産学共同研究における開発テーマ策定の意義について探求していくことを新たに付け加え、本申請研究の目的である開発コンセプトの策定における産学連携の果たす意義と課題についてより充実した分析を行う。
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