2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530395
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉澤 剛 京都大学, 人文科学研究所, 特定講師 (10526677)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 由希子 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教 (00361676)
|
Keywords | 知識交流 / インターメディアリ / 社会技術 / 資金配分機関 |
Research Abstract |
平成22年度は資金配分機関、知財マネジメント機関、社会起業家・NPO支援団体等の中間機関に関する理論および活動の実態について国内外の既往文献調査を行い、知識と社会をつなぐという観点から中間機関の制度やマネジメントについて包括的に論じた先行研究が見られないことを確認した。また、国内および英国、米国、カナダの資金配分機関や社会起業家・NPO支援団体、科学コミュニケーション機関へのインタビューにより、ミッションや業務管理・評価、人材、ネットワークについての具体的な実態を調査した。この成果を踏まえ、英国の科学コミュニケーション機関に関する活動の比較から、外部者との協働、内部者による個人的な活動の重要性と日本の取り組みへの教訓導出を行い、査読付論文として発表した。一方で、中間機関の機能を理論的に類型化しようと試みたが、中間機関はそれ自体で成り立つものではなく、資金配分機関を例にすると、研究プロジェクトを実施する機関(研究機関)ないし研究の開始・継続・中止・終了の決定を行う機関(意思決定機関)が果たす役割を支援・補完・代替するためにあることが推察される。さらに、中間機関に所属する人材は必ずしも常に組織の活動範囲内にとどまって活動しているわけではなく、その柔軟性が中間機関の存在意義を高めていると考えられる。そのため、既存の制度論やシステム論では十分に把握しきれず、また、中間機関の定義を狭めることで幅広い理解が妨げられることから、知識マネジメントや知識政策、人材論を援用しながら主題の再構成に取り組んだ。
|
Research Products
(2 results)