2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530396
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長谷川 克也 東京大学, 産学連携本部, 特任教授 (20409759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 岳人 東京大学, 産学連携本部, 助教 (20573728)
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Keywords | 経営学 / ベンチャー企業 / イノベーション / インキュベーション / ベンチャー・キャピタル / 産学連携 |
Research Abstract |
近年イノベーションをめぐる環境は大きく変化しているが、その本質は、従来、大企業内の組織が担ってきたイノベーション推進の中心的役割を、大学やベンチャー企業等から構成され、しかも既存の組織の枠組みを越えた「エコシステム」が担うようになってきたことにある。本研究はこのようなオープン・イノベーションの環境下における、イノベーション・エコシステムに最適な会社形態を研究し、イノベーション促進のメカニズムを解析しようとするものであり、具体的には、ベンチャー企業の資本構成や経営支配権とイノベーション力との相関およびその最適化の分析を中心に、ベンチャー企業を育成、支援する各種外部機能の有無や関与形態がベンチャー企業のイノベーション力に与える影響や、イノベーションの源泉となる科学技術を創出する大学等の研究機関と、それらの研究成果を事業化する企業との関係性などについても調査研究を行うものである。 本年度は、ベンチャー企業に関する各種の商用データベースや公開データベースの分析を進めて、資本構成やベンチャー・キャピタル投資と、ベンチャー企業のイノベーションカの関連に関する研究を進めるとともに、独自データに基づく東京大学関連ベンチャー企業のデータベースや東京大学における起業家教育に関するデータの分析も進め、特に大学発ベンチャーへの支援パターンの分析結果に関しては学会発表を行った。また、オープン・イノベーションを推進する大企業の側から見たイノベーション・エコシステムの活用状況に関しても研究を深め、コーポレート・ベンチャーキャピタルの進化に関する分析については、技術経営分野の国際学会に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ベンチャー企業の資本構成に関する分析は若干遅れ気味であるが、イノベーション・エコシステムの分析には当初計画以上の成果が生まれているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、各国ベンチャー企業に関するデータベースの分析、および初年度から構築を進めている本学関連ベンチャーに関するデータベースの分析を継続して、資本構成やベンチャー・キャピタル投資と、ベンチャー企業のイノベーション力の関連に関する研究を進めるとともに、産学連携を通したイノベーション・エコシステム形成の実態やその活用状況や、大企業におけるオープン・イノベーションの推進状況に関しても研究を深める。
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Research Products
(2 results)