2011 Fiscal Year Annual Research Report
ナレッジインテンシブサービスセクターのイノベーションシステムに関する国際比較分析
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22530399
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮崎 久美子 東京工業大学, 大学院・イノベーションマネジメント研究科, 教授 (20281719)
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Keywords | サービス / セクター / イノベーション / 国際比較 / 携帯電話 / 組み込みソフトウェア / 知識 |
Research Abstract |
サービスイノベーションシステムを複雑システムとして捉え、システムの構成要素の複雑性と関係者の性質、利害関係に焦点を当てながら、異なるアクターの協同作業、制度的変化や技術革新の共進化、それぞれの優位性などの分析を行う分析フレームワークや研究スコープを確立した上で、初年度に行った予備分析の結果をベースにさらに分析すべき技術経営の課題を確定した。以上に基づき、日本とアジア(韓国など)やヨーロッパを対象に、ヒアリングやアンケート、計量書誌分析や特許を元に分析を行った。 携帯電話通信事業の分野において、日本と海外の事業者の戦略の違いは何か、オープン化やバリューネットワークの視点で特殊性や共通性はあるのかについて分析を開始した。また韓国におけるスマートフォンが業界に与えたインパクトに関し、技術経済論をベースとして分析を行い、大学で利用されている新しいモバイルサービスの導入についてヒアリングを行った。 自動車、ロボットと携帯電話向け組み込みソフトのイノベーションについて、特許を使って、実証分析を行い、米国で開催されたMOT分野で名高いPICMETで,450件の中から賞を受賞した。(最優秀論文賞)また特許を使う新たな分析方法も確立した。携帯電話向け組み込みソフトウェアの進化について分析を進め、イノベーションが制御からデータや情報処理向けに進化していることが明かになった。 サービス業界のうち、金融と医療サービスに焦点を与え、サービスを支える研究開発に関する研究を行い、PICMETで成果を発表した。 EmergingTechnologyの発展過程に関する研究ではとくにh肥MSに焦点を当て、イマージング技術と知識ベースの発展の関係について掘り下げて分析を続け、2か所の国際会議で発表した。サービスイノベーションに向けて必要な産官学の効果的連携のモデルの解明について、中国と日本の比較分析を開始した。 市場が存在しない新たな製品を市場化するためのサービスに関する研究を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在査読中の論文が4~5本あります。MOTの分野で高い海外のジャーナルにも投稿しており、査読プロセスに長時間かかっています。
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Strategy for Future Research Activity |
学際的に実施された分析結果を元に、総合分析を実施、総合戦略を構築する。 技術マネジメント、経営システム論、技術政策論、技術経済論、通信政策論などを基づいた分析結果をマクロ、メゾ、ミクロレベルにおいて総合的に分析。サービスセクターイノベーションシステム形成パスについて、サービスイノベーションの最適マネジメントを抽出し、また社会経済的、制度的面との関連を分析する。 我が国の劣位ポイントを指摘し、あわせ、対応策を提言する。
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Research Products
(12 results)