2013 Fiscal Year Annual Research Report
中国における中核人材の企業間移動と技術移転、イノベーション活動に関する実証研究
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22530402
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
馬 駿 富山大学, 経済学部, 教授 (00303206)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | イノベーション / 中核人材 / 中国 / キャリア・パス / 人事施策 / コーポレート・ガバナンス / インセンティブ |
Research Abstract |
本研究は、これまで主に次の3つの課題に分けて進められてきた。まず、企業に対して実施したアンケート調査の結果に基づき、統計分析の論文を完成させた。この論文は、アンケート調査の結果分析を通して、前年度で行った聞き取り調査の結果の一般性をもっているかどうかを検証されたものであり、その結果、両者ではほぼ一致した事実が確認された。具体的に、日本と韓国企業と比べて、中国企業には、職務等級制度、中途採用重視といった人事施策が導入されている企業が多い、そして中国には、金銭によるインセンティブや、昇進や昇格などのようなポストによるインセンティブ、また仕事内容によるインセンティブが効果的だと評価される企業も多いという結論が得られた。 そして、海外から帰国し、上海市の研究機関や企業に勤めている中核人材を対象に行われたアンケート調査の個票データを用いて、彼らのキャリアを分析する論文を作成した。この論文では主につぎの結論が得られた。まず国有企業へに勤めている者がその企業の技術移転への役割が小さいが、民営企業に勤めている者が、企業の技術移転とイノベーション活動へ果たす役割が大きい。そして、一度他の企業に勤めてから、民営企業に転職した場合は、技術移転とイノベーション活動に果たす役割がかなり大きいが、これに対して国有企業に転職した場合は、その役割が最も小さい。これは企業のガバナンスが彼らの果たす役割に大きな影響を与えたということが考えられる。 さらに、以上の研究をふまえ、中国企業の製品開発に携わっている中核人材に関するアンケート調査を実施した。現在その結果を解析し、企業のガバナンスといった要因を考慮した上、中核人材のキャリアが企業の技術移転やイノベーション活動にどのような役割を果たしているについての論文にまとめているところである。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)