2010 Fiscal Year Annual Research Report
認知行動モニタリングによるサービス価値創出モデルに関する研究
Project/Area Number |
22530406
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
原 良憲 京都大学, 経営管理研究部, 教授 (20437297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山川 義徳 京都大学, 経営管理研究部, 非常勤講師 (80447945)
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Keywords | サービス価値 / 認知行動モニタリング / 事前期待 / 顧客満足度 / 新奇性 / 親近性 / サービス・イノベーション / サービス・サイエンス |
Research Abstract |
本研究では、短期の経済的価値創出と、顧客や提携企業との長期の信頼関係に基づく社会的価値創出とのバランスを考慮する日本型サービスを検証し、「サービス価値創出モデル」の導出、及び、「認知行動モニタリング方法論」によるモデルの導出を目的とする。平成23年度は、サービスに対する事前期待、サービス実績、並びに、顧客満足の動的な関係性を構造化し、サービス応用事例毎の特徴を整理した。具体的には、ホテル、レストランなど対人サービスや、携帯電話などのITサービスにおける期待と顧客満足との関係を分析した。この分析により、勘と経験に依存していた日本型サービスの良さを、定量化、構造化することができ、サービスのグローバル展開を行う際にも、寄与することができる見通しを得た。また、分析結果を、シンガポールや米国・サンノゼで開催されたサービス・イノベーション、サービス・サイエンスに関する国際会議において、発表を行った。 また、分担者(山川)が担当した、実証実験によるモデルの検証については、平成23年度において、オンライン上での電化製品やアパレル商品、レストラン、ホテルなどの商材に関する検索サービスを対象に、調査を行った。調査の結果、検索サービスにおける長期的なサービス信頼に関しては、認知特性ごとに「新奇性」と「親近性」の重要性が異なることが明らかになった。具体的には、How型の認知特性をもつ利用者はHow型の処理といえる「親近性」が長期的な関係構築に重要であり、一方What型の認知特性をもつ利用者はWhat型の処理といえる「新奇性」が重要であった。これらの研究結果からHow型とWhat型といった脳の分散処理に基づく概念的モデルが、認知特性を分類する上でも、信頼関係の認知構造を分析する上でも有効であることが示された。 平成23年度は、上記で得られた知見や調査結果をもとに、「サービス価値創造モデル」統合化に関する研究活動を遂行する。
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