2011 Fiscal Year Annual Research Report
認知行動モニタリングによるサービス価値創出モデルに関する研究
Project/Area Number |
22530406
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
原 良憲 京都大学, 経営管理研究部, 教授 (20437297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山川 義徳 京都大学, 経営管理研究部, 非常勤講師 (80447945)
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Keywords | サービスイノベーション / オープンイノベーション / 長期的価値 / 社会的価値 / 価値創出 / 認知行動モニタリング / 新奇性 / 親近性 |
Research Abstract |
本研究においては、(1)短期的な経済価値と中長期的な社会価値双方を持ったサービス価値創出モデルの導出と(2)サービスフィールドでの認知行動モニタリング方法論に基づく実証実験による検証を目標としている。 その中で、本年度は、昨年までのオンライン上での購買行動の分析に基づく、短期的な経済価値と長期的な社会価値の関係を論文として国際学会にて発表すると共に、そのモデルの実空間フィールドへの展開を試みた。具体的には、グローバル化を見据えた時に重要となる日本文化の重要な一側面と言える食文化の中でも鮨を取り上げ、その中での主人と客とのやり取りを分析することによって、短期的な経済価値と長期的な社会価値形成のあり方を明らかにした。特に、これまで注目していた、認知的な特性に変えて、事前知識の有無を条件に導入した。結果として、日本型食サービスの代表事例の1つである鮨という限られた条件下ではあるものの、鮨についての知識を有することが、長期的な価値形成に重要で有ることが明らかになった。 加えて、本年度は、当初計画通り、これらのモデルの実用性を川下から川中、川上へと適応範囲を拡大することを目的として、実際の民間企業とのオープンイノベーション的な連携も進めた。具体的には、自動車メーカーを中心に、バイクメーカー、化粧品メーカー及びシステムインテグレーション企業との連携の中で日本型の長期的価値形成の現状及びモデル化の可能性について議論を深めた。その中では、昨年度進めていた新奇性と親近性の違いや、本年度の分析結果である知識の有無などについてのモデルを、製品開発やサービス開発の中に適応していく手法を模索した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モデル化や具体的な実証実験も進んでいると共に、民間企業との連携も進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、昨年度までの実証実験を国際学会などで発表すると共に、最終年度として、連携を進めている民間企業のサービス化を具体的に実現するための活動を強力に推し進めていく。
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