2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530418
|
Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
大東和 武司 広島市立大学, 国際学部, 教授 (40152194)
|
Keywords | 国際経営 / 多国籍組組織 / パートナーシップ / グローバル・ガバナンス / 多国籍企業 |
Research Abstract |
企業活動の海外展開の拡大にともない、海外における事業の円滑な推進のための高度な専門知識の必要性が高まり、いわゆるプロフェッショナル・サービスの国際展開が重要になっている。それに係わるプロフェッショナル・サービス提供型の多国籍組織の多くは、伝統的なパートナーシップの組織哲学を継承し、人的および知的資産を機動的に集約する組織形態を採用し、公開責任がない。また、このような多国籍組織は、多国籍企業活動の国際展開および資金調達の国際化にともなって、多種多様で複雑な各国の法規制に起因する障壁につねに対応しながら、多様な独占資格共同業務を営み、世界各国のプロフェッショナル・サービス提供型組織と積極的に業務提携や協働を推し進めることにより、国際展開を形成してきた。 23年度においては、あらためて大東和(1996)、OHTOWA&KAYAMA(2006)、大東和ほか(2008)をふまえ、「パートナーシップ」あるいはまた「プロフェッショナル」について再確認するとともに、それにもとづく組織が製造多国籍企業の組織とどのような相違があるのかについて引き続き検討を行った。いわゆるパートナーシップ型多国籍組織の組織哲学と組織特殊性について検討した。他方で、公開責任のない製造企業についての検討も併せて行った。地場中堅企業の事例を取り上げた多国籍企業学会西部部会での報告「広島・熊野の筆:国際ビジネスとビューティビジネス研究からの示唆」(平成23年9月17日)もその成果の一部である。さらにまた、研究者、公認会計士および実務家の参加を得、広島市立大学国際学公開講座として平成24年1月23日に開催した「岐路に立つ国際会計基準IFRS」への関与もその一環である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
23年度の成果報告として、論文等としての刊行も予定していたが、学会報告のみとなった。博士前期課程学生および学部学生の指導のほか、マレーシアおよび中国からの留学生の博士学位論文完成に向けた指導(全員平成24年3月学位取得)、また学務等に時間を割かざるを得なかったことがこうした結果の主要因であるが、24年度の成果としては、すでに論文等として少なくとも3本、また国内および海外での学会報告が予定されていることは付記しておきたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
「パートナーシップ」あるいはまた「プロフェッショナル」について引き続き検討するが。それはパートナーシップ型多国籍組織の組織哲学と組織特殊性等についてさらに検討することであり、製造造多国籍企業の組織とどのような相違があるのかについてさらに深く考察することである。必要に応じたインタビュー等によっての確認修正を行い、多国籍組織に対するグローバル・ガバナンスの視点からの考察を加え、まとめへと近づけていく。 以上の成果については、国内の学会のみならず、海外の学会等への発表を通じて、広く意見を求めることで、研究の改善に寄与させることを考え、今年5月には国内で、8月にはフランスでの国際学会での報告をする予定にしている。 学会報告は、論文執筆にも反映される。
|