2010 Fiscal Year Annual Research Report
発展途上国における企業利益と社会利益の同時実現型ビジネスの可能性と課題の実証分析
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22530419
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Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
菅原 秀幸 北海学園大学, 経営学部, 教授 (30255418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 研 北海学園大学, 経済学部, 准教授 (20438352)
関 哲人 北海学園大学, 経営学部, 准教授 (40510847)
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Keywords | BOPビジネス / 貧困削減 / 日本企業 / 途上国貧困層 |
Research Abstract |
BOPビジネスの世界の動向を把握するために、菅原がケニア、バングラデシュ、タイを、平野がベネズエラ、ブラジル、キューバを訪問。現地でBOPビジネスを展開している現場を訪問し視察を行った。そこから選び出した日本企業10社について詳細に事例分析を行い、そこから以下のような結論を得た。 (1)BOPビジネスの真価は、ビジネス戦略(新市場の創造)と開発戦略(貧困社会の課題解決)の融合にある。(2)つまりパートナーシップによるソリューションを提供することであり、単なる低価格商品の販売ではない。(3)その実現には、ビジネスパーソンのマインドセットに変容を強いる。 BOPビジネスは、新規市場の開拓という話にとどまるものではなく、「世界から貧困をなくし持続可能な地球社会を実現する新しいビジネス」に挑戦していくことである。貧困とは、選択肢がないために、その人が本来もっている能力を活かすことのできない状態をさしており、本人にとっても社会全体にとっても大きな損失である。その損失を減らすために、貧困層のもつ潜在力を引き出し、活かす機会を提供できるのがBOPビジネスである。 しかしBOP層の底上げによって旺盛な消費力が発揮され、これまでのような資源消費型の経済成長パターンを繰り返すことは、どう考えても不可能であろう。単なるBOP層の底上げだけでは、地球がもたなくなってしまう。貧困層のニーズを満たしつつ、地球環境へ負荷のない持続可能な商品やサービスを提供できるビジネスモデルを、さらには、そのような社会シムテムを構築していく以外に、私たちの未来はない。それらを実現するために、これまでの垣根を超えた「パートナーシップ」が不可欠となる。それによって、従来まったく考えつくことのなかった「イノベーション」をおこしていくのだ。そのために、これまで相まみえることのなかったビジネスの手法と開発の手法、この両者を融合し、新しいビジネスモデル、新しい開発モデルを創造するという課題に挑戦することになる。つまるところ「ビジネス戦略と開発戦略の融合」への挑戦であり、これこそがBOPビジネスのもつ革新的な意義である。
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Research Products
(4 results)