2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530441
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
玄場 公規 立命館大学, 理工学部, 教授 (80313039)
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Keywords | 多角化戦略 / サービス化 / 製造企業 / 技術機会 / 競争優位 / サービスサイエンス / 実証分析 |
Research Abstract |
1.研究目的 近年、日本の製造企業の収益性は低迷しており、サービス事業分野への進出が課題であると言われている。しかしながら、日本の製造企業のサービス事業への展開及びその成果について、実証的に分析した学術的成果は乏しい。製造企業にとってサービス分野への事業展開は、必ずしも関連分野の多角化ではなく、いわゆる非関連分野の多角化である場合も多い。そのため、事業展開に必要となるマネジメントが大きく異なり、一般に収益性が低下する可能性もある。本研究は、日本の製造企業のサービス事業への展開に関して、統計データを用いた定量分析及び詳細な事例分析を行うことにより、その動態分析及び成果を明らかにし、製造企業のサービス化にむけた戦略的マネジメントを提示することを目的としている。 2.定量分析 経済産業省の企業活動基本調査の個票利用を経済産業省に申請し、平成4年度調査以降のアンケート個票データを入手した。データ量は膨大であるが、企業ごとのデータ整理を完了した。また、各企業の売上比率を算出し、サービス化比率、産業別のサービス化比率の平均値等の分析を行った。また、収益性を被説明変数とした重回帰分析を行った。 3.事例分析 事例分析においては、サービス化に取り組んでいる先進企業を対象に詳細な分析を行い、分析を行った。製品の標準化は一般にコスト低減を目指して実施されると考えられているが、製品の標準化を積極的に行い、高度なサービス提供と組み合わせることにより、競争優位のビジネスモデルを確立することが可能であることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的である製造業のサービス化に関して豊富な定量データを入手し、サービス化比率の算出、収益性との重回帰分析を行った。また、サービス化を行っている先進企業のケーススタディも行った。そのため、定量分析及び事例分析は計画の目的に沿って行っており、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
サービス化の動向、収益性の重回帰分析等の分析結果について、考察を行い、成果発表を行う。また、事例分析の結果は昨年度学会誌に投稿を行い、査読を完了している。今後は、他の説明変数も加えた定量分析あるいは他の先進企業の事例分析など分析の深化及び考察を行い、製造業のサービス化の戦略的マネジメントを提案することとする。
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Research Products
(4 results)