2010 Fiscal Year Annual Research Report
環境対応自動車の開発・製造に伴う部品取引システムの進化:中国・九州の越域的新連携
Project/Area Number |
22530447
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Research Institution | Hiroshima Shudo University |
Principal Investigator |
木村 弘 広島修道大学, 商学部・経営学科, 准教授 (50336070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 澄明 山口大学, 経済学部, 教授 (10148992)
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Keywords | 自動車部品サプライヤー / 環境対応自動車 / 自動車部品取引 |
Research Abstract |
本研究は,次世代自動車(ハイブリッド・電気自動車(HV/EV))への製品進化が起こっている中,自動車部品産業に新しい提携・連携関係が生まれつつあるのか否かを解明することを目的としている。調査対象地域は,本プロジェクト・メンバーが持つ地理的有利性を活用して,マツダや三菱自動車の組立工場が立地する中国地域と,トヨタや日産などの組立工場が立地する九州地域である。中国地域は機械系の部品供給体制が整っているがエレクトロニクス化への対応は遅れており,一方の九州地方は自動車産業の開始が比較的に新しいため,エレクトロニクス化への対応は進んでいるものの,機械系部品のサプライヤーの集積が弱く地元調達率が低いとされている。 本研究では,両地域の自動車部品供給体制再編の分析を通じて上記目的を考察するために,とくにティアワン・サプライヤーの扱う主力部品供給をめぐる生産体制に注目し研究を進めた。その結果,従来の系列的取引を基盤にしながら他地域との取引拡大を展開しようとするサプライヤーも見られるものの,実際の部品取引が占める部分が大きく,次世代自動車に関する取引に関する目立った変化を見出すのは困難であった。しかしながら,調査を通じて,実際の企業活動を説明しうる論理展開の端緒を見出すためのある程度の見解を得ることができた。 今後,申請者らの予備調査によって明らかにした内容をふまえ,環境対応型自動車の開発製造の動向について引き続き調査研究を進める。近年,HV/EVだけではなく低燃費やアイドリングストップ機構を搭載した環境対応自動車の開発が活発になり市場への投入が進んでいることなども,詳細に調査して研究に反映させたい。
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