2012 Fiscal Year Annual Research Report
環境対応自動車の開発・製造に伴う部品取引システムの進化:中国・九州の越域的新連携
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22530447
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Research Institution | Hiroshima Shudo University |
Principal Investigator |
木村 弘 広島修道大学, 商学部, 准教授 (50336070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 澄明 山口大学, 経済学部, 教授 (10148992)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 自動車部品 / サプライヤー |
Research Abstract |
平成24年年度では,自動車部品サプライヤーのネットワーク活動を考察するための,新しい分析視座の提示をおもに行った。これまで数年間の調査をふまえ,理論と実際の取引関係を統合した視座を提示した。その他に,日本国内のサプライヤーはもとより,海外における日系サプライヤーの連携についても調査を開始した。 前者の分析視座を提示する研究では,自動車部品サプライヤーのネットワークを,多面的に分析するための新たな視座を議論した。これまでのサプライヤーのネットワークに関する研究はどのように有効的なのかは議論されてきたが,それらは断片的な視点や短期的な時間軸からの考察であった。そこで我々は,時間軸をより長く設定し,サプライヤー・ネットワークのプロセス面を考慮した分析視座の導出を試みることにした。分析視座には,サプライヤー経営の戦略論的側面,社会学的側面,中小企業論的側面からの考察を取り入れ,それぞれに経済的要素,社会的要素,事業展開という3軸を用いた。結果,社会的要素という現実の経営活動の根底にある現象を把握できることや,ネットワーク活動がどのように推移してきたのか,さらには他事業展開を含めた議論ができることを論じた。 これらの関係は,国内はもとより,海外のサプライヤー関係を考察するのにも用いることができると考えている。海外では,日本人による経営ではないため,純粋な日本的な経営方式ではないが,ひとつの製品をつくる「ものづくり」に対する精神では,各国で真摯な考え方が蓄積されており,それらがベースとなる部品取引において,上述の分析視座が有用であると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度までは少々遅れ気味の進捗であったが,平成24年度に分析枠組みが提示できたことで,今後の調査の柱が構築されたため,ある程度の方向性が見えてきた。あとは具体的な調査を進めて,分析視座とケースの整合性を図りながら,サプライヤー・ネットワークについて究明を深めていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後,提示した分析枠組みに実際のケーススタディを踏まえながら,その有用性を吟味していく。その際,分析視座で捕捉しきれていない点を把握し,さらなる精緻化を図る。ケースの取り上げ方も,サプライヤーの関係性において重要な点をきちんと理解できるようなものを厳選したい。そして,これらを統合して,サプライヤーの新しい部品取引の方向性を探っていきたい。
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