2010 Fiscal Year Annual Research Report
消費生活を豊かにし、地域と国際社会に貢献する小売マーケティングのあり方を探る
Project/Area Number |
22530455
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高橋 郁夫 慶應義塾大学, 商学部, 教授 (70187996)
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Keywords | 小売 / マーケティング / 消費者行動 / 流通 / 国際情報交換(アメリカ) |
Research Abstract |
我々の消費生活を豊かにするべき小売業の役割は、今日の我が国の社会の中で大きな岐路に立たされている。にもかかわらず、小売業の社会的役割を扱う研究は、研究代表者が専門とする商業学(マーケティング論、流通論、消費者行動論)の分野でも、そのインパクトの大きさに比して十分行われてきたとはいい難い。富裕層をターゲットにした一部の高級ブランド店や、反対に景気の低迷期に登場した百円ショップ等のディスカウント型小売業などが、実務的関心の強い一部の研究者達によって取り上げられることはあっても、小売業の社会性(国民生活に及ぼす影響やその社会的責任)に焦点を当てた学術研究は極めて少ないと言わざるを得ない。また、マクロ視点からの小売商業政策研究に関して言えば、賑わいのある商店街を取り戻すべく、いわゆる「街づくり三法」が整備されるに至ったものの、地域社会に対する小売業の貢献と流通政策の関連性について理論的・実証的に突き詰めた研究は、やはり十分とはいえないのが現状である。さらに、個別の小売企業のマーケティング活動が、どのような社会性をもつか、具体的には、地域や国際社会への貢献を営利活動といかにバランスさせているかというミクロ視点からの調査・分析もこれからの課題となっている。そこで、本研究は、「消費生活を豊かにし、地域と国際社会に貢献する小売マーケティングのあり方を探る」と題し、以上のような問題の現状把握とそれを改善するための処方箋を描き出すことを目的としている。初年度である平成22年度は、主に関連文献の収集とレビューに専念する一方で、メルツ教授とのサービス・ドミナント・ロジックに関する共同論文の執筆および、Ingene教授との小売構造の分析に関する国際学会における報告を、それぞれ行った.
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Research Products
(2 results)