2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530459
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Research Institution | Tokyo Keizai University |
Principal Investigator |
青木 亮 東京経済大学, 経営学部, 教授 (70272888)
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Keywords | 都市交通 / 比較制度分析 / 補助制度 / トラム / BRT / フランス / STS |
Research Abstract |
平成23年度については、都市交通分野における内外の先進事例や補助制度などの位置付け、役割について分析を進めた他、成果の一部を論文や学会報告として公表した。 ・補助金をはじめとする国内諸制度が交通システムに与える影響 交通施策とモード間選択の関係を明らかにするため、首都圏の鉄道整備を例に交通投資と補助制度の関係について分析を行い、「鉄道投資と公的支援」として論文に取り纏めた。交通分野と福祉の関わりを諸制度との関係から分析し、高齢者の行動と公共交通利用の関係について、「福祉分野における交通サービスの提供」として、論文に取り纏めた。また乗合バスを中心に公共交通の現状と路線維持に補助制度や、自治体が設置した地域協議会等の果たす役割、課題について分析を進めた。これら成果の一部は日本交通政策研究会主催の日交研フォーラムで報告した。 ・海外の先進事例の事例調査 昨年度に引き続き、海外の先進事例との比較分析を行うため、フランスの都市交通についてナント、パリなどの諸都市でヒヤリング調査と資料収集を2011年9月に実施した。90年代から公共交通活性化策としてトラムの新規導入が相次ぎ、我が国でも大きく紹介されたフランスの都市交通であるが、近年、ナントではBHNS我が国におけるBRTとほぼ同義)であるBuswayの導入や既存バスのグレードアップを目指すクロノバス構想など、新たな動きが見られ、我が国の交通政策への示唆も多い。昨年度のプレ調査に続き、現地で背景や現状、評価などについて調査した。成果の一部は、2011年10月に開催された鉄道史学会第29回大会にて、「フランスにおける都市再開発とトラム整備」として報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究計画である「補助金をはじめとする国内諸制度が交通システムに与える影響」については、我が国の路線維持制度や福祉制度と公共交通の関わりについて、着実に研究が進んでおり、成果の一部は既に発表された他、今後も成果の公表が予定されている。また海外事例であるフランスの都市交通の最近の動向についても、現地調査を通じて着実に研究が進展しており、成果の一部が既に発表された他、来年度の発表に向け準備が進んでいる(既に学会報告1件が決定している)。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度については、本年度の研究をもとに分析を深化させ、成果の公表に向け、研究を続けていく。既に我が国の交通政策に与えるフランスの都市交通政策の示唆については、学会報告が決定しており、報告に向け準備を進めている。また乗合バスを中心とする我が国の補助制度の現状や課題についても、論文としての公表に向け、準備中である。研究の最終年度として、これまでの成果を取りまとめ、我が国の都市交通政策への示唆を得ることを目指す。
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Research Products
(4 results)