2010 Fiscal Year Annual Research Report
わが国生命保険販売従事者の倫理的課題事項に関する日米比較研究
Project/Area Number |
22530462
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
中林 真理子 明治大学, 商学部, 教授 (80308056)
|
Keywords | 商学 / 保険 / 企業倫理 / コンプライアンス |
Research Abstract |
本研究の目的は、日本の生命保険業界が直面する企業倫理上の課題のうち、特に販売従事者が実務上直面する倫理的課題の本質を明確にすることである。1980年代のアメリカのユニバーサル保険、1990年代の日本の変額年金の販売時の説明をめぐる問題に代表されるように、日本はアメリカから遅れて同様の商品を販売し、同様のトラブルに直面することが多い。そこで、アメリカの保険専門職が直面する倫理的課題に関する先行研究で培ってきたアンケートを日本の生命保険販売従事者の状況を十分に考慮・反映させた上で実施することにより、日本の具体的な倫理的課題の特性を指摘し、今後の業界のコンプライアンスへの取り組みや、規制の在り方の指針を示す。 研究初年度である平成22年度は以下のような研究を行った。 アンケート実施に先立ち、実施後のデータの分析方法についてさまざまな可能性を吟味するため、(1)企業倫理に関する文献ならびに資料収集、(2)日米の生命保険販売制度差に関する資料収集を行った。その結果、アンケート項目試案をもとに、国際学会を利用して、日本ならびにアメリカ、さらにアメリカの比較対象として有意義なブラジルの研究者や実務家へのインタビューを行った。これは具体的なアンケート項目決定のための作業であった。 その後、統計解析のエキスパートの協力を得て、時系列データを有効活用できるようアドバイスを受けたうえで、アンケート実施の具体的な準備に入った。当初はアンケート返送の締め切りを平成23年2月末に設定していたが、対象者の利便性を考えて3月中旬に締め切りを遅らせていたが、3月11日に東日本大震災が発生し、締め切りを再度4月末に延期し、アンケート結果の集計を行った。そして、当初から予定していた共同研究者と予備的アンケートの結果についての討論については、途中経過をもとに、3月にニューヨークで実施した。
|