2011 Fiscal Year Annual Research Report
バリアフリー機器の街づくりへの導入を通した社会起業プログラムの開発と理論化の研究
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22530465
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
岡田 広司 椙山女学園大学, 現代マネジメント学部, 教授 (90326158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 高明 愛知工科大学, 工学部, 准教授 (30351183)
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Keywords | バリアフリー / 街づくり / ソーシャルビジネス / 福祉機器 / 歩行誘導システム / ユニバーサルデザイン / 歩行者ITS |
Research Abstract |
新しいバリアフリーシステムの開発と実用化の研究と、福祉の街づくりへの導入を通して起業化を図る社会起業プログラムの構築に関する研究である。次のような課題が研究成果として得られ、実現への新しい課題が確認できた。第1には障害者、介護者へのモニタリング調査等により次の事項が実証・確認できた。 1.視覚障害者はメンタルマップ(道路周辺情報の記憶地図)を作り歩行する。その情報とは音、風、匂い、歩数、路面の特徴等である。2.単独歩行を可能にする主な条件は次である。(a)初めての場所でも安心・的確に歩行できる。(b)適正な情報を安全・確実・タイムリーに伝達できる。(c)使用者の経済的負担や社会的負担が少なく簡単に使える。(d)維持管理不要、安定性能、永久使用可。この分析から本研究のシステムは最適なシステムであることが確認された。第2は技術的調査の成果である。GPS(全地球測位システム)との融合技術を考察すると、障害者の位置確認精度は数10cmと高いが、建物の影では電波が届かず機能不可、本人の進路方向も確認できない。この課題を解決する手段として当該システムが再評価された。電子白杖を持って絵文字タイルの上を渡ると、携帯用音声発生器の音声指示で初めての場所でも安全に歩行できる。障害者の1.5m手前で案内を聞くことによる歩行の円滑化が確認できた。また技術的な考察として次の成果が得られた。1.CPU(中央処理装置)の低電化が進み誘導タイルに能動素子の内蔵化が可能になった。従来は受動素子内臓化のみを前提としていた。2.実用化調査により情報書き換え型誘導タイルの実現化が考査され、道路環境変化に対応するシステムの可能性が確認された。3.誘導タイルの高機能化は、電子白杖の電磁波による充電化技術の必要性を確認した。4.交通信号機システムと本システムとの融合により、便益性の高いシステム実現を確認した。交通信号(青、赤、黄)状態を障害者の携帯音声案内器に無線で伝え歩行指示を音声で伝える機能の研究に入った。第3はバリアフリー機器の市場導入を円滑にする環境作りを狙って、市民参加型福祉の街づくりの実践化を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
福祉の街づくりへ導入するためのバリアフリー機器として、社会的及び技術的視点からの調査が進んでかる。特に本研究の核となる視覚障害者向けの歩行誘導システムの新規企画及びその実用化への研究が進んでいる。一方、当該バリアフリー機器の導入フィールドとしての商店街活性化の地域活動や調査の研究も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究の成果として得られた新しい課題、例えば電子白杖の小型化や誘導タイルのマイコン導入化による誘導方式の拡張。当該システムと交通信号機システムとの融合化によるさらに安全な歩行手段の検討。当該システムのような非営利ビジネスの事業化の研究を進めるとともに、非営利ビジネスの起業化を円滑にするための市場導入フィールドとなる街づくり活動を進める。福祉の街づくりの考察には新たに耐震.防震の研究を加えたい。最終的には非営利ビジネスの企画・開発と実用化・製品化と事業化にわたる一連の社会的起業化プログラムを考察する。
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Research Products
(2 results)