2012 Fiscal Year Annual Research Report
バリアフリー機器の街づくりへの導入を通した社会起業プログラムの開発と理論化の研究
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22530465
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
岡田 広司 椙山女学園大学, 現代マネジメント学部, 教授 (90326158)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | バリアフリー / 街づくり / ソーシャルビジネス / 事業化 / 福祉 / 歩行誘導システム |
Research Abstract |
本研究は社会科学の視座から新しい福祉機器の開発と当該製品を、地域社会に貢献する事業として導入を円滑に進める社会起業プログラムの構築に関する。福祉機器利用者、商店街振興組合店主等の面談調査を加え、次の点を中心に調査・研究を進めた。 第1は、第2世代誘導方式(絵文字タイルと携帯型音声誘導による方式)の電子技術とITとの融合による可能性を考察した。特に普及が進むスマートフォンとの融合化については、GPSの問題となっていた屋内や地下街等の利用においては、屋内エリアに基地局を設け、利用者と目標地点を移動局として、基地局から移動局の距離を30cm以下の精度で算出し、音声誘導する仕組みが可能となる。タイルにICタグやマイコンを内蔵させた本誘導方式が多様性に優れていると再確認できた。第2は技術的課題の考察を進めた。電子部品を封入したタイル構造については再度環境テストを重ね、「絵文字情報認識度の高い」ものへと改良を進めた。タイルの電子部品装着方式や高品質化の実験を重ね、音声発生器の小型軽量化の研究を進めた。また近年UV応用技術が高まり、電子部品の紫外線硬化密封技術による高い信頼性を確認した。 第3は社会起業プログラムに関する考査をした。新事業開発プログラムの成功事例を分析し、福祉機器の街づくりへの導入プログラムを次の様に提起した。(1)市場調査、(2)新製品の発案、(3)新製品の企画、(4)技術研究・開発設計[(5)試作、(6)市場導入テスト、(7)市民参加による評価・改良]、(8)生産、(9)市場導入、(10)市場反応、の流れとなる。さらに(6)市場導入テストの結果、(7)市民参加による評価・改良点が、(5)試作ステップにフィードバック、街づくり導入に評価され、(8)生産に進む。この生産ステップは「本生産」より、市場導入初期には「量産試作」という考え方を取り、多くの実例の共通点を見出す。また(4)技術研究・開発設計は、(7)市民参加による評価・改良点の評価結果がフィードバックされるステップであるが、常にこのステップまで帰還するようでは問題である。(3)新製品企画を的確に進めて、(5)試作品の手直しで終わらせたい。「社会起業プログラム」の中心となる「(3)新製品の企画」では、ユニバーサルデザインとイノベーションが重要課題である。
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