2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530468
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
廣田 章光 近畿大学, 経営学部, 教授 (60319796)
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Keywords | イノベーション / 共創 / ユーザーイノベーション / リード・ユーザー / ピラミディング / コモディティ |
Research Abstract |
ユーザーと開発者の共創によるイノベーション促進について焦点をあて調査を行った。 具体的には、コモディティ化した製品のサンプルとして、スプーン製品をとりあげ、ユーザーと共創によるイノベーションを実現した青芳製作所の開発プロセスの調査、分析を行った。青芳製作所では、障害者向けに製品を開発するプロセスにおいて、ユーザーと製品との協調による価値の存在に気付き、ユーザーに制約がある場合に、新たな製品価値を生み出す可能性を発見した。 その成果として、「開発スコープ」という概念を導き出し、その成果の一部を商業学会の全国大会で報告を行った。(題目「開発スコープ」のダイナミクスとイノベーション創発」) また、ユーザーとの競争を行う上で、どのようなユーザーをどのように探索することが有効であるかを考察するための調査を行った。Hippel (1988)の研究成果であるリードユーザーを発見ために、ピラミッディング(Hippel, Von E., Thomke, S., and Sonnack, M. (1999)、Hippel (2005)という手法がある。これは「先行類似分野」のリード・ユーザーからイノベーションを獲得する方法である。しかしその課題として先端類似分野を探すことの困難性がある。そこで本研究では、ターゲットユーザーからの乖離度に注目し、ユーザーの製品使用制約の次元とイノベーション促進の可能性について調査を行った。また、ユーザーの使用可能性以外にもアウトドア製品や軍事製品などの例にあるように特殊な環境にも可能性があると考え、環境次元について、ターゲットユーザーとの乖離度に注目し調査を行った。主に、日本メーカーがかつて世界のトップレベルにあった製品として、競泳水着製品の開発を調査を行った。その結果を、組織学会の全国大会で報告を行った(題目「「先端類似分野」発見枠組みと「リード・ユーザー法」の促進-日本の競泳水着製品のイノベーションとリード・ユーザー法の活用-」)
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Research Products
(3 results)