2011 Fiscal Year Annual Research Report
国際監査基準が公監査基準に与えるインパクトと基準モデルの研究
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22530472
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉見 宏 北海道大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (90222398)
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Keywords | 公監査 / 国際監査基準 |
Research Abstract |
本研究は、国際監査基準(ISA : International Standards on Auditing)において、IOSCO(証券監督者国際機構)が求めてきた基準本文の改善プロジェクト(いわゆる明瞭性(クラリファイ)プロジェクト)が完成したことに伴い、国際監査基準が我が国に導入される中で、その公的部門の監査基準との関係、影響を、我が国の場合を念頭に置いて国際比較研究を行うものである。 本年度においては、前年度までの諸外国の状況の調査を元に、主として国内部分の資料収集と検討を行った。特に本年は、わが国の監査の基準(主として日本公認会計士協会監査基準委員会報告書)が国際監査基準にあわせて全面改訂され、わが国における国際監査基準の全容が明らかになった年であった。これらがただちに公的部門に適用されるわけではないが、特に職業監査人である公認会計士が今後監査を行う場合には、この改訂された監査基準を利用することとなり、それは公的部門の監査においても影響を与えざるを得ない。本年度の本研究では、国際標準に見合った公監査基準とはいかなるものかを、モデルとして提起することを目的としていることから、研究最終年に向けて明らかになった国際監査基準の国内版を鑑みた資料分析と検討、研究の一部をなすものの発表、刊行等を行った。 具体的には、韓国大学との共同セミナーにおける研究報告、学術雑誌への論文投稿、掲載を行っている。また国際部分についても、引き続き補足的な資料収集を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、すでに国際部分の分析をほぼ終え、また国内部分の研究についても順調に進展している。また、平成23年度にはわが国監査基準のクラリティ化が終わり、国際監査基準対応の監査基準となったことから、これをもとにした本研究の進展が可能となり、研究期間内に一定の成果が出せる方向性が見渡せる状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は本研究の最終年度であり、研究全体の総括、まとめと成果を示す必要がある。研究計画の変更を必要とするような問題点は生じていないが、国際監査基準に対応した監査基準の公表により、学界および公的部門のこれらに対する反応が出てくる可能性があり、これらは本研究に影響を与える可能性があるため、注意深く資料収集し検討を継続する必要がある。
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Research Products
(7 results)