2010 Fiscal Year Annual Research Report
ある会計情報を見たとき、脳の中で不安を感じる部分は反応するか?
Project/Area Number |
22530481
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
後藤 雅敏 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (70186899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山地 秀俊 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (40127410)
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Keywords | 会計情報 / insula / 脳活動 / 不安 / 賦活 / fMRI |
Research Abstract |
当初の計画どおり、京都にあるATR(Advanced Telecommunications Research Institute International:株式会社国際電気通信基礎技術研究所)で、4人の被験者に対して核磁気共鳴画像(functional magnetic resonance imaging)を撮影した。被験者に提示する会計情報は、Presentation(※商用の有料ソフトウェア)を使って、被験者に見える形式で、機械の中で画像として出力をした。この一連の研究では、会計情報を被験者に表示する過程が最も重要であり、これを慎重に行った。現在までに撮影した脳の画像を、MATLAB(※商用の有料ソフトウェア)とSPM(Statistical Parametric Mapping:※無料のソフトウェア)で処理し、血流量が増えている部分を確認した。その結果、島(insula)と呼ばれでいる部分が賦活化していることを発見した。この部分は、この研究が目的としている「不安」や「将来の不確実性」を問題とした他の研究でも、賦活化が報告されている部分で、今後、この領域に関して、研究を深める。具体的には、会計情報が被験者に提示される前後の時間的な経過を取り上げて、どの領域からどの領域へ賦活化する領域が変化するかを明らかにする。全体を通じて、島が賦活化する分析を精緻化させる。また、全体では十数人の被験者であるため、来年度も同じ実験を繰り返す予定である。これまでの研究成果は、私的な研究会では発表しつつあるが、とりあえず現在までの部分を英語論文にまとめるために、日本語で書いた論文を翻訳会社に出している。
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