2011 Fiscal Year Annual Research Report
感性コストマネジメントによる製品・サービスのイノベーション構築の研究
Project/Area Number |
22530487
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
山本 浩二 大阪府立大学, 経済学部, 教授 (20166797)
|
Keywords | 感性 / コストマネジメント / サービス / イノベーション / 管理会計 / アクション・リサーチ |
Research Abstract |
本研究は、「製品・サービスの価値向上を意図して、製造業の製品開発でイノベーションを図る感性コストマネジメントをさらにサービスにも適用してイノベーション型感性コストマネジメントに進展させるとともに、あわせて戦略的業績評価と結びつけることで収益力向上に結びつく製品・サービスのコストマネジメントの新たな枠組みを構築すること」を目的とする。そのために、製品とサービスの顧客満足に結びつく評価構造と評価項目を検討し、イノベーション促進の観点から、原価企画における支援技法である感性コストマネジメントの改善と展開を行い、戦略的業績評価を取り入れた製品・サービスのコストマネジメントの枠組みの究明を試みた。 本年度は、昨年度に引き続いて、戦略的コストマネジメントとしての原価企画の実務を研究する目的で、実践的な有力な企業メンバーから構成される研究会を通じて、新製品開発プロセスにおける原価企画活動を成功させるための要因についての調査を中心に進めた。また、医療サービスの分野での組織の価値向上に向けた取り組みの研究にも着手した。一方、当初予定していた戦略的な業績評価に関連する一般的なアンケート調査は、実務で定着していないために時期尚早と判断し、先にアクション・リサーチが必要であることが認識できたため、研究方法の変更を行い、協力企業における顧客ニーズおよび課題を発見する枠組みの展開を先行して実施した。そのためにまず当該企業が実施していた過去の顧客アンケート調査データを入手し、調査項目を精査し、調査結果を分析評価した。それを受けて、サービスの顧客満足に結びつく評価構造と評価項目を検討し、さらに顧客アンケート調査の自由回答から意味のあるデータを抽出するためにデータ・マイニングの手法を用いて、顧客ニーズを探求する試みに着手した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究途中で、あたらな事実が発見できたため当初予定したアンケート調査の研究方法を変更し、研究計画が遅延したが、その後のサービス協力企業でのアクションリサーチやデータ分析はおおむね順調に進展している。医療サービス分野での調査は順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初予定していた戦略的な業績評価に関連する一般的なアンケート調査は、実務で定着していないために時期尚早と判断し、先にアクション・リサーチが必要であることが認識できたため、アンケート調査の代わりに、協力企業において、顧客ニーズの取り込みが成功しているかどうかの調査をさらにすすめ、協力企業でのデータをさらに分析して、サービスに関する意味のある評価指標や評価因子の抽出を実施する。
|
Research Products
(2 results)