2011 Fiscal Year Annual Research Report
XBRL環境下における財務データの統計的性質に関する調査
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22530495
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
坂上 学 法政大学, 経営学部, 教授 (50264792)
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Keywords | 会計学 / 電子開示 / XBRL / EDINET / ベキ分布 |
Research Abstract |
平成23年度は、研究の第二年度目ということで、初年度に開発したXBRLツール(XBRLデータから、特定項目を抽出しCSV形式に変換するためのツール)を用いて、わが国の電子開示システムEDINETより入手したXBRL形式のデータを使って、財務データの統計的性質についての調査を開始するという当初の研究計画について、予定どおり研究をおこなった。 XBRLの適時性を最大限活用し、平成22年度決算データの提出が集中する6月末時点において、直近の2010年4月1日~2011年3月31日にEDINETを通じて公表されたわが国におけるすべての上場企業の連結決算データを用いて、主要な財務数値について調査をおこなった。すべての証券取引所の全市場を対象とし、その報告インスタンスの総数は4,166社分(投資ファンド等は除く)であった。また連結決算データの財務諸表項目(XBRLエレメント)の総数は、110万262個に及んだ。 Nigrini & Mittermaier(1997)のいうように、財務数値の最初の1桁目の数字の分布がはたしてベンフォードの法則に従うかどうか、この110万余のデータを使って調べてみたところ、その分布は見事にベンフォードの法則から導き出される理論値に、ほぼ完璧に一致することを確認した。また企業規模を示す変数としてしばしば用いられる資産総額の金額と累積企業数との関係を調べたところ、両対数分布をとると、ほぼマイナス1の傾きをもつ直線として示されジップの法則が成り立っていることを確認した。財務数値にはベキ乗則に従う分布特性を持つ項目があることが示された。 なお、この分析結果については、雑誌『會計』に「財務数値の分布特性とベキ乗則」という題目の論文を執筆し、本年度の研究の成果の一部として公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、昨年度開発したXBRLツールを用いて、直近の会計年度の決算データを使い、実際に分析をおこなうことができたので、概ね順調に進展しているものと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点において入手可能なXBRL形式のデータは、EDINETがXBRLに対応した2008年度データからしかなく、時系列分析をおこなう上では、どうしても日経NEEDS等の他の財務データベースを頼らざるをえない状況があり、本研究課題で開発したXBRLツールの活用について大きな制約となっている。またEDINETからのXBRL入手方法はしばしば変更されることがあり、仮に大幅な変更がなされた場合、今回開発したツールが将来において使えなくなるかもしれないとの不安がある。
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Research Products
(3 results)