2011 Fiscal Year Annual Research Report
公開企業の非公開化プロセスにおける経営者の会計行動についての実証的研究
Project/Area Number |
22530501
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
田代 樹彦 名城大学, 経営学部, 教授 (90268061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 康彦 高千穂大学, 商学部, 教授 (70305176)
中山 重穂 愛知学院大学, 商学部, 准教授 (80331635)
浅野 敬志 首都大学東京, 社会科学研究科, 准教授 (30329833)
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Keywords | 企業再編 / MBO / 非公開化 / 利益管理 |
Research Abstract |
本研究の目的は、上場企業の非公開化プロセス、とりわけMBOを行う際に生じるであろう、経営者の利益相反行動に起因する利益管理行動について実証的に検証することにある。 そのため、昨年度は、これまで収集してきたサンプルをさらに収集し、分析に必要な財務データや株価データ等を整備するとともに、分析モデルの検討を行ってきた。 当該年度は、そのサンプル等に基づき、パイロットテストを実施した。行った主なパイロットテストの概要は、以下の通りである。 (1)財務データについて、年次決算、半期決算、四半期決算を用いる。 (2)MBO公表前の株価動向によってサンプルを分割する。 (3)投資ファンドの関与の有無によりサンプルを分割する。 (4)上場している市場によってサンプルを分割する。 これらの観点をいくつか組み合わせたパターンと、利益管理、特に会計発生高の推定モデル(ジョーンズ・モデル、修正ジョーンズ・モデル、修正ジョーンズ・CFO・モデル及びそれぞれのROAマッチド・モデル)との組み合わせなどで相当数のパイロットテストを実施した。 その結果、MBOにおける経営者の利益相反行動とMBOについて公表される開示資料における株式買付価格についての情報の観点からは、MBO直前6ヵ月の平均株価に言及されているため、四半期財務データを用いる事が望ましいとの結論に至った。 しかし有効な財務データが得られるサンプル数などの問題から、これまでの検証結果に基づいて論文等の取り纏めを進めるとともに、当該年度に公表された財務データが入手できるようになれば、これらを含めたサンプルで再検証を行うこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の通り、最終年度も若干の追加分析を行うことを予定しているが、これまでの分析に基づき、論文等の取り纏めをすすめており、最終年度ではすでにいくつかの内外の学会での報告をするために投稿を行ったり、その準備作業中をおこなっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題はすでに研究成果を論文として取り纏め、内外の学会や学術誌に投稿し、研究成果を公表する段階に来ているため、当初の計画通り研究を進めていけば良いと考えている。
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