2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22530503
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
中嶌 道靖 関西大学, 商学部, 教授 (10227803)
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Keywords | 環境管理会計 / マテリアルフローコスト会計 / 環境経営 |
Research Abstract |
本年度は、計画に基づき、マテリアルフローコスト会計(MFCA)の導入企業(本社および工場)の実態調査を実施した。 その結果、MFCAは新しいマネジメント手法であり、既存の企業マネジメント手法との統合が重要であることを明らかにし、具体的には、MFCAと企業の予算管理との統合の必要性を理論的に整理し、その成果の一部を日本原価計算研究学会で発表すると共に、査読論文として研究成果をまとめた。また、企業実務において機能するMFCAマネジメントの理論的フレームワークを構築するために、企業の業績評価マネジメントであるBSC(バランスドスコアカード)とMFCAの連携に関しても研究調査を実施し、日本管理会計学会において研究成果の一部を報告した。さらに、包括的なコストマネジメント手法として、さらにMFCAを発展させるために、企業のスループットを向上させるマネジメント手法であるTOCとの統合の可能性を研究し、その研究成果の一部を日本原価計算研究学会関西部会において発表した。次年度において、研究論文としてまとめる予定である。 また、MFCAの国際規格(ISO14051)が2011年9月に発行され、日本の規格であるJISQ14051も2012年に発行された。このようなISO化・JIS化に直接参画した実績をもとに、南アフリカで開催されたEMANA frica Conferenceにおいて、本研究成果の一部を報告した。また、ドイツにおけるMFCA開発者・研究者であるDr.Markus Stobel 氏 (Institut fur Management und Umwelt, Augsburg)ならびにProf.Dr.Bernd Wagner (Augsburg University)との共同研究を進めることができた。同様に、環境管理会計・Material Efficiencyに関する研究であるProf.Mario Schmidt (Hochschule Pforzheim, Institut fur Angewandte Forschung: IAF)とも研究連携をすすめることができた。このような国際的な研究活動の成果としては、たとえば、2012年11月に横浜で開催される国際カンファレンス(EcoBalance 2012)において特別セッションを企画し、研究成果を発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究調査に基づく目標である「既存マネジメントとMFCAの統合、新たなMFCAの手法的な発展、さらに国際的な研究推進」に関して、全て、目標通りに一定の研究成果を出すことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
MFCAの国際規格の発行の影響から、アジア諸国での研究調査の重要性と共同研究のニーズが高まっている。今後、日本発であるMFCAの普及と学術的かつ実務的な貢献に寄与できるように、実態調査を継続すると共に、英語での研究成果を増やすように進める予定である。
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