2010 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア証券市場の上場企業における公正価値会計の適用実態に関する実証分析
Project/Area Number |
22530506
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
浦崎 直浩 近畿大学, 経営学部, 教授 (60203600)
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Keywords | 国際財務報告基準 / 韓国会計基準(KIFRS) / 中国新会計準則(CAS) / 公正価値会計 / リース会計情報の価値関連性 / 公正価値会計の有用性 / 金融商品会計 / 投資不動産の会計 |
Research Abstract |
本研究は,会計基準の国際的なコンバージェンスを前提として,会計基準,会計実務,市場システム(法制度・会社制度)を対象に,1990年代に生成した公正価値会計の意義を再評価し,公正価値会計の将来的な展開の可能性を実証的かつ理論的に検討することを目的とするものである。この研究目的に照らして、平成22年度は、IFRSを導入して策定された2006年中国会計基準および2011年から強制適用される韓国版IFRSの適用状況の分析を行うための基礎データおよび関連文献の収集を行うとともに、日本の上場企業を対象に実施したリース会計情報の価値関連性に関する実証結果について中国の研究協力者・魏明海教授の在籍する中山大学管理学院および広州大学商学院で特別講演(2010年11月8日・9日)を行った。さらに、12月には東北財経大学会計学院の王春山先生を訪問し、中国での公正価値会計の適用実態について分析するための研究方法について教示いただくとともに、公正価値会計に関する中国での先行研究および中国財政部による会計基準適用実態に関する報告書を入手した。2011年1月には連携研究者の川原尚子教授とともに韓国の啓明大学経営学部のDoSangho教授・KimJungmin教授を訪問し、韓国版IFRSが2011年1月から強制適用されることを受けて韓国における適用実態の研究方法について教示いただくととともに、韓国会計学会の年次大会プロシーディングスを入手した。韓国では、完全版IFRSを国内化している状況で会計研究の方法論に関する議論が活発で、基準設定の基礎にある概念フレームワークに関する基礎理論研究へ回帰する傾向があることが分かった。さらに、2011年2月には川原尚子教授がロンドンの大手アカウンティングファームおよび国際会計基準審議会を訪問し、アジア圏でのIFRS適用状況に関する資料の収集および原則主義会計基準としてのIFRSの適用のあり方と監査についてその本質について聞き取り調査を行った。なお、本研究の研究成果の一部として、5件の研究報告を行った。
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Research Products
(5 results)