2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22530527
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
小島 秀夫 茨城大学, 教育学部, 教授 (50111349)
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Keywords | パネル調査 / 教師 / 職業的社会化 / 回顧的回答 / 専門職意識 / 自尊感情バイアス |
Research Abstract |
本研究はパネルデータを利用して、教師の職業的社会化過程の解明を試みるものである。本研究の独創性は、以下の点にあると考えられる。 (1)職業的社会化の研究に限らず、日本においては個人の発達理解に必要とされるパネル調査がほとんど実施されていない。この調査では、学生時代から20年以上経過した対象者を追跡調査しているという点で独創的である。こうしたパネル調査は日本ではほとんどないものであり、パネル調査自体を実施したことが評価できる。 (2)調査の回収率も50%を超えており、調査の質も確保できたと判断できる。パネル調査の場合には回収率も悪くなるのが通常であるが、回収率が良いことで、データの質は良いと判断できる。 (3)データは学生時代、1991年の第1回パネル調査、今回(2011年)の第2回パネル調査より、構成されているため、多様な分析が可能である。 (4)個人の過去に関して同じ質問を第1回パネル調査と第2回パネル調査で使用しているため、その回答の変化を分析することによって、回顧的回答の変化を分析することが可能である。こうした試みは世界的にも、少ないものであり、貴重な研究と判断できる。 (5)回顧的回答の変化を分析する中で、自尊感情バイアスが存在していることを明らかにした。この自尊感情バイアスは新たな発見である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第2回パネル調査が成功したことによって、学生時代から現在にかけての個人の職業意識の変化をより正確に把握できることが明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は最終年度であるために、分析をすすめ報告書を作成する。分析には多様な多変量解析を中心とする分析方法を使用する。分析結果については学会などでの発表を予定している。
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