2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530541
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
東村 岳史 名古屋大学, 国際開発研究科, 准教授 (20273211)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | アイヌ民族 / 和人 / 戦後史 / 当事者 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、北海道では、北海道大学附属図書館、北海道立図書館、札幌市中央図書館等で資料の検索と収集を行なった。中心となったのは、1970年代後半までの北海道新聞・北海タイムス・全国紙の道内版の新聞記事と、同時期に発行されたアイヌ民族関係の雑誌記事等である。研究目的として記した「多角的展開」については、以下のような見通しと成果を得ることができた。 1)新聞記事のあり方を、研究者および研究活動の表象に焦点を当て検討した。児玉作左衛門や家族、同業者の言動を報じた記事を分析し、児玉の生前期には好意的な報道しか見られず、研究者と新聞社は共犯関係にあること、後年児玉の「業績」が問題視されるようになっても新聞報道のあり方自体は検証されておらず、過去の「悪行」を現在から切り離してとらえる意識がある。 2)同じく研究者の活動として、帯広を中心に一時期社会学的調査を行なっていた関清秀の参与と撤退の過程を検討した。関が直面した困難はその後も克服されることはなく、関自身はその後広義の開発研究に転身した。そのせいもあって、彼の調査歴は現在では埋もれたままになっているが、「アイヌ研究」と社会学の接点として振り返られてもよい。 3)政治家の動向として、旭川市長としてアイヌ民族をめぐる政策課題にも取り組んだ五十嵐広三を検討対象とした。アイヌと親密につきあい理解者として一般に評価されることが多い五十嵐ではあるが、世評にもかかわらず、彼の市長在任中の取り組みは期間限定的で不十分なものであり、重要な問題提起に見合う成果をあげることができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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