2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530556
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
稲葉 昭英 首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 教授 (30213119)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ひとり親 / 貧困 / 低所得 / 母子世帯 / 教育アスピレーション / 進学率 / 親子関係 / 家族問題 |
Research Abstract |
日本家族社会学会による第3回全国家族調査データ(NFRJ08)を用いて、親の離婚や再婚を経験した子どもたちの教育達成について分析した。親の離婚を経験した子どもたちの大学進学率はそうでない者に比して低く、格差は近年についても縮小していなかった。親の再婚を経験した者も、同様であった。 こうした子どもたちは中学3年時点で大学進学意欲が低いため、その原因を内閣府「親と子の生活意識に関する調査」データを分析することで検討した。分析の結果、意外なことに、母子世帯の子どもたちの進学意欲は低かったが、父子世帯の子たちはもっと低い値を示した。母子世帯の子の進学意欲の低さは貧困・低所得でそのほとんどを説明することができたが、父子世帯の子についてはこれらの要因で説明することはできなかった。分析の結果は、むしろ父子世帯の親子関係が希薄であること、とくに男子の場合にその傾向が顕著であり、いわゆる放任状態に置かれていることが低い進学率と関連していることを示した。 つぎに、親の不仲が子どもに及ぼす影響を検討した。子どもによる親の不仲経験は、教育アスピレーションと有意な関連を示さなかったが、子どもの自尊心、抑うつと関連し、子どものメンタルヘルスに負の影響を与えていた。このことは、離婚を避け、不幸な結婚が存続することが子どもにとって望ましくない結果を生む可能性を示している。 連携研究者の実績:余田翔平は、同データを分析して、ひとり親世帯の子どもたちの教育達成を説明する仮説の検討を行った。大日義晴は、NFRJ98、03,08データを用いてソーシャル・サポートネットワークの構造の変化を分析した。三輪清子は、2000年意向の里親委託の増加をもたらした要因について、時系列データによって分析を行った。根岸弓は、日本、スウェーデン、フランス、アメリカの児童虐待に関する法規定の比較研究を行い、その構造を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(12 results)