2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530557
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Research Institution | Tsuru University |
Principal Investigator |
野畑 眞理子 公立大学法人都留文科大学, 文学部, 教授 (00198607)
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Keywords | ダイバーシティとインクルージョン / ワーク・ライフ・バランス / フレキシブル・ワーク・アレンジメント / キャリア・ライフ・フィット / マス・キャリア・カスタマイゼーション / コーポレート・ラダー / コーポレート・ラティス |
Research Abstract |
1.平成22年9月に3週間かけて米国企業6社を訪問し、先進的なダイバーシティの取り組みについて聞き取り調査を実施した。各社1~2時間の聞き取りを行い貴重な情報を得ることができた。聞き取り調査からは、マネジング・ダイバーシティやインクルージョンを必ずしもCSRと位置づけているわけではないが、日本で言われるような企業業績を高めるための経営戦略と単純化しているわけでもないことが明らかになった。 2.また、「アファーマティヴ・アクションは終わっていない、今なお重要である」と考えられていることも分かった。そのため、ダイバーシティとインクルージョンの施策は、実際には女性やマイノリティを対象としたものが多い。マネジング・ダイバーシティが1990年代に始まった主要な要因の一つは、女性やマイノリティの転職率を抑え、管理職、とくに上級管理職以上への昇進を促進することであり、さらに2000年頃からダイバーシティとインクルージョンへと発展していったのである。 3.ダイバーシティとインクルージョンで重要なのは、従業員の数の多様性ではなく文化的多様性であり、その多様性を皆が理解し、個々人が尊重され能力発揮できる快適な職場環境を、企業が持続的に創りだしていくことが喫緊の経営課題と考えられ、そのための多様な取り組みが推進されている。 4.ワーク・ライフ・バランスからキャリア・ライフ・フィットへと、パラダイム転換の必要性を提唱し実践している先端的な企業の施策について明らかにした。これは、現在多くの企業が導入しているワーク・ライフ・バランス施策の限界を、マス・キャリア・カスタマイゼーションを利用して解決しようとする試みである。
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Research Products
(1 results)