2010 Fiscal Year Annual Research Report
平城遷都1300年祭の社会的せめぎあいとポリティクス
Project/Area Number |
22530560
|
Research Institution | Nara Prefectual University |
Principal Investigator |
遠藤 英樹 奈良県立大学, 奈良県立大学地域創造学部, 教授 (00275348)
|
Keywords | せめぎあい / ポリティクス / 観光 / 地域 |
Research Abstract |
奈良の平城京へ遷都してから、2010(平成22)年で1300年であった。これを記念して、奈良県は平城遷都1300年祭を企画し実施した。本研究の目的は、この平城遷都1300年祭をめぐる国内外や奈良県地域内における、社会的せめぎあいとそのポリティクスをとらえつつ、そこに内在する社会的・文化的・政治的・経済的位相を明らかにすることにある。2010年度前半では、研究期間内において特に注目したいと考えられる平城遷都1300年祭に内在する社会学的なプロブレマティーク(アジアとの関連でとらえられた「日本(ナショナルなもの)」、<奈良>に対するまなざし等)について文献研究を特に行った。 以上の作業と併行し、2010(平成22)年度7月から、この事業に関わっている奈良県内の多様な社会的ポジションにいる人びとを対象にインタビューを実施した。これによって、市民、産業界、寺社、行政等が、地域において、それぞれの利害関心(interests:マックス・ヴェーバー)を持ちながら相互に微妙なズレを含み持ち、平城遷都1300年祭という同じ事業に関与し合っていることを明らかにしようとした。それぞれが相互に重なりながらも、利害関心(interests)が微妙にズレたまま、せめぎあっている。こうしたあり方をインタビューから浮彫にした。 さらに本年度後半においては、観光客を対象に質問紙調査を実施した。その中で、観光客が平城遷都1300年祭でどのような行動を行っているのか、またどのように感じているのか等、観光客の行動と意識に関する調査を行った。
|