2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530570
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Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
染谷 俶子 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (60154720)
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Keywords | 高齢者扶養 / 福祉 / 家族 / 社会保障 / 医療 / 介護 |
Research Abstract |
平成22年度においては、すでに高齢者入居施設の普及しているオーストラリア(メルボルン市)、およびアメリカ合衆国(フィラデルフィア市)におけるインタビューと資料収集を実施し、普及と利用の状況を究明し、確認した。9月1~13日には、メルボルン市郊外のLincoln Centre for Research on Ageing, La Trobe Universityの所長であるDr.Yvonne Wellの協力により調査を実施した。面接調査を実施したのは、Uniting Age Care, Multi-care Unit, Wesley Court, Rylandの3施設で、合計9名の自立可能な高齢者と、要支援者1名であった。また3月18~27日には、Act's Retirement CommunitiesのHospice CareのDirector、Ms.Christine Kriebelの協力により、有料老人ホーム発生の地であるアメリカ(フィラデルフィア市とその近郊)への調査を実施し、近年のアメリカにおける有料老人ホームの需要と普及との現状を調査した。 両国におけるこれら居住施設は、わが国より長い歴史があり、普及も拡大している。入居に至る要因は、「子供がいない、子供に介護を期待できない」ではなく、初めから子供への全面的な介護を期待していない。また、入居前、入居後においても、かなり子供や親族の支援、訪問が多い。メルボルン調査で、"入居により失ったもの"に「長年手をかけてきた庭」という意見が目立ったのが特徴的であった。庭のある生活があったこと、その反面で家族、友人などの人間関係は、とりわけ入居により断絶していないようである。一方アメリカでは、介護・医療の公的支援がないため、"経済力のある人が利用する"、また、"入居費用による施設の階層化"の傾向が顕著に見られた。
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Research Products
(1 results)