2012 Fiscal Year Annual Research Report
当事者組織をめぐる連携が精神障がい者のリカバリーに及ぼす影響に関する研究
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22530607
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
松田 博幸 大阪府立大学, 人間社会学部, 准教授 (30288500)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | 地域福祉 / コミュニティソーシャルワーク |
Research Abstract |
平成23年度までの研究を通して、北米において、精神障がい当事者が運営する組織が他の組織と連携することを通して、精神障がい当事者のリカバリーをうながすアプローチが生み出されていることが明らかになった。平成24年度においては、北米における実践についてさらに調査を継続し、わが国における課題を明らかにすることを目指した。 まず、精神障がい当事者による活動を支援している、アメリカのNational Empowerment Centerのウェッブサイトのアーカイブに収録されている英文資料の入手および翻訳をおこなった。それらを通して浮かび上がってきたのは、精神障がい当事者と周囲の人たちとの間の対等な対話が当事者のリカバリーをうながすということである。そして、フィンランドにおける、専門職者による「オープン・ダイアログ」(Open Dialogue)の実践が、アメリカにおける対話を中心とする実践に影響を与えたことも明らかになった。つまり、当事者と専門職者との間の対等な対話がリカバリーの鍵となるということである。 また、精神障がい当事者にとって、服薬というのは、生活の質やリカバリーにかかわる重要な問題の一つであるが、わが国においては、かならずしも当事者と専門職者(とりわけ主治医)との間で服薬をめぐる充分な対話ができているわけではない。カナダ、ケベック州において展開されている、主体的な服薬管理のためのアプローチであるGAM(Gestion autonome de la medication)は、そのような服薬をめぐる対話をうながすためのアプローチであり、かつ、複数の団体と当事者たちとの連携を通して開発されてきたことが、現地での聞き取り調査を通して明らかになった。 そして、以上で得られた情報の分析を通して、わが国における当事者運営の組織と他の組織との連携の課題を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)