2011 Fiscal Year Annual Research Report
精神障害者のストレス対処能力SOCがソーシャルサポートの深化に及ぼす影響
Project/Area Number |
22530612
|
Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
坂野 純子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (70321677)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 喜比古 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 講師 (10174666)
二宮 一枝 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (70347607)
|
Keywords | 精神障害者 / ストレス対処能力 / SOC / ソーシャルサポート / 地域生活支援 |
Research Abstract |
これまで精神障害者はもっぱらサポートを受ける側としてとらえられ、ともすれば精神障害者の厳しい環境は彼らのストレス対処能力SOC(Sense of Coherence Sense of Coherence)の形成・発達を阻害すると理解される傾向があった。しかし、Salutogenic(健康生成)モデルでは、病気や逆境などのストレッサーに曝され苦痛や困難を余儀なくされた人たちはけっして無力で受動的ではなく、困難な状況にある人々にはこれらへの対処と適応の努力があり、健康およびQOLの維持・回復と生活の再構築を図る営みがある主体的な存在であるという見地にたっている。本研究では、このSalutogenicモデルを採用し、精神障害者のストレス対処能力SOCの維持・向上にどのような人生や生活経験が関係しているのかを明らかにすることを目的としている。平成23年度は、精神障害者を対象としたSOC介入研究で先駆的な研究をしているLangelrannd博士の研究協力のもとノルウェーの精神障害者地域活動支援センター(Amalie Skram's house)で調査を行った。Amalie Skram's houseはノルウェーの精神医療改革のなかで設立され、活動理念に訓練ではなく「表現すること」「創造すること」を掲げている。そして、精神病とともに生きる人のリカバリーに焦点をあてた支援を行っていた。さらに、Langelannd博士の精神障害者を対象としたSalutogenic talk therapy groupsに関する調査から、参加者の精神障害者の苦痛やストレスの理解とともに、参加者のそれらに対する対処と適応努力の促進をねらいとしたものであり、話題を事前に準備することや公式などを決めることなく、自由な雰囲気のなかで各自の経験を尊重することや各セッションの雰囲気にはグループリーダーの役割が重要であることが明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
年度当初に保留された研究費の支給が半年遅れたため、ノルウェーのLangeland博士との共同研究のスタートが半年遅れたため、計画の進行に影響があった、
|
Strategy for Future Research Activity |
ノルウェーでの調査結果を踏まえ、24年度は、日本国内で精神障害者を対象にインタビュー調査を行う。その際に、精神障害者の「有意味感」「処理可能感」「有意味感」に関わる人生経験の内容を明らかにすること、それらの人生経験にかかわるソーシャルサポートの内容および受領と提供に焦点を当てて分析することとする。
|
Research Products
(2 results)