2012 Fiscal Year Annual Research Report
精神障害者のストレス対処能力SOCがソーシャルサポートの深化に及ぼす影響
Project/Area Number |
22530612
|
Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
坂野 純子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (70321677)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 喜比古 日本福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (10174666)
二宮 一技 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (70347607)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | sense of coherence / SOC / 精神障害者 / ソーシャルサポート / 生きる力 / 自己認知の肯定的な変化 |
Research Abstract |
本年度は、地地域で生活している精神障害者を対象にインタビュー調査を行い、精神障害者のSOCに関わる自己認知の肯定的な変化(以下、PPC)とそれに関わるソーシャルサポートの内容を分析した。 今回の対象者でPPCの特徴として「仲間と出会ったことによる心強さ」「.自分だけが大変なわけではないという感覚」「少しずつでよい、無理しなくてよいという感覚」「他人の助けになっているという感覚」が明らかになった。SOCスコアの高い人ほど「これまで対処できなかった問題に何とか対処できるようになった」「できないことよりできることに目が向くようになった」と回答する傾向がみられた。 PPCに関わるソーシャルサポートの経験として、「仲間と出会ったことによる心強さ」に関わる経験では、「悩みを言える場が増えた」、「一人じゃないんだと思う」等があった。「少しずつでいい、無理しなくてよいという感覚」に関わる経験では、「無理しなくていいんだよというスタッフの言葉」、「仲間の様子を見て休憩が上手にとれるようになった」等があった。「気持ちが楽になったという感覚」に関わる経験では、「ディスカッションで共感できる」、「話しを聞いてくれる人が居る」、「最初は全然喋らんかって、喋れるようになった。みんなも良くしてくれたし、仲間も良くしてくれた」、「みんながリラックスモードで自分のできることしかしない」等があった。 「できないことよりできることに目が向くようになった」何事に対しても前向きに考えるようになった」に関わる経験では、ディスカッションで自分の経験を発言したり、心のノートに日々のことを書き込むこと等があった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、計画通り、精神障害者のSOCに関わる生活経験の特徴とそれに関わる社会関係資源を明らかにすることをねらいとして、地域で生活する精神障害者にインタビュー調査を実施し、第一に、精神障害者のSOCに関わる自己認知の肯定的な変化(PPC)の特徴を明らかにできた点、第二に、PPCに関わる人生経験をソーシャルサポートの観点から明らかにできた点で、一定の成果が得られたと評価できる。 また、精神障害者のSOCの介入研究の第一人者であるランゲランド博士および国内のSOC研究者との研究ネットワークが形成により、SOC介入プログラムの開発に向け先行研究のシスティマテックレビューに着手した。さらに、SOC介入研究の実施に向けたハンドブックの執筆に着手した。
|
Strategy for Future Research Activity |
国内外の共同研究者との緊密な連携のもと、1)システィマテックレビューの成果発表、2)SOC介入プログラムの実施に向けたハンドブックの出版、3)精神障害者を対象としたSOC介入プログラムのパイロットスタディの実施、3)介入プログラムの評価:参加者のSOC、自己意識の肯定的な変化(PPC)、ソーシャルサポートを指標として。
|
Research Products
(2 results)