2012 Fiscal Year Annual Research Report
医療福祉相談室の環境条件に関する基礎的研究-相談支援の質を担保する基準の検討
Project/Area Number |
22530614
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
永野 なおみ 県立広島大学, 保健福祉学部, 准教授 (80342012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永野 紳一郎 金沢工業大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40329371)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 医療福祉相談室 / 医療相談室 / 面接室 / 医療ソーシャルワーカー / ソーシャルワーカー / 環境 |
Research Abstract |
平成24年度は、優れた医療福祉相談室を備えた病院を対象とした実測調査及び医療ソーシャルワーカーに対するインタビュー調査を実施し、その望ましい環境条件を確認した。調査対象は、医療福祉建築賞の受賞病院及び専門誌に優れた病院建築として紹介された病院、医療福祉相談室が整備されていると筆者が聞き及んだ病院の内、協力を得られた全国20の病院である。調査の結果、多くの病院で職能団体が示す個別相談室の必要面積18㎡を超える相談室を、正面玄関からの動線がよく患者に分かりやすい場所に複数備えていた。窓のない相談室が目立ったが、安全対策として出入り口は必ず2ヶ所確保されていた。また病棟にも相談に使用できる個室が確保され、カンファレンス等の集団面接に対応した相談室も有していた。さらに簡単な問い合わせ等に対応するためのカウンターを設けたり、外来や廊下の一角に応接セットを置く等して、相談の内容により対応する場所を変えることが行われていた。これは気軽に相談を受けられる仕組みであり、同時に医療ソーシャルワーカーの数に対して相談室の数が不足する場合の対策ともなっていた。また書類作成に適した機能的な椅子・テーブルと寛いで話ができるソファ等、家具や設えの異なる相談室を用意し、相談内容や相談者に合わせて相談室を使い分ける工夫や、子どもを対象とした病院では、おもちゃを備えボランティアがいる部屋で子どもを遊ばせながら相談を受ける等、相談支援の質を高めるための様々な配慮がなされていた。これらは、医療ソーシャルワーカーが病院内でその業務の重要性を認められており、さらに医療福祉相談室の環境の重要性を認識していたことで、病院の建て替えや改築等の機会を捉えて実現してきたものである。医療福祉相談室の環境整備には、医療ソーシャルワーカー自身が環境に対する意識を高め、こうした工夫を広く活用してゆくことが重要である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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