2010 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者虐待防止のための養護者支援方法論に関する実証的研究
Project/Area Number |
22530620
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Research Institution | Shukutoku University |
Principal Investigator |
山口 光治 淑徳大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (90331579)
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Keywords | 社会福祉関係 / 高齢者虐待 / 養護者支援 / エンパワメント / 虐待予防 |
Research Abstract |
本研究事業は、高齢者虐待を防止するために、被害者(高齢者)の側に立って加害者である養護者への対応方法論を検討し、虐待防止実践に役立てていくことを目的としている。 1年目は「先行研究・実践の把握と養護者対応方法論の予備的仮定の策定」をテーマに以下の取り組みを行った。第1段階として、DV防止分野における先行研究の把握を文献や実践者へのインタビュー調査により実施した。第2段階として、高齢者虐待防止分野における養護者対応の先行研究を文献により把握したが、あまりに取り組みが少なく未開拓の分野であることが明らかになった。第3段階として、高齢者虐待防止に向けた養護者対応の現状把握のために、(1)わが国における養護者対応の実際に関する訪問インタビュー調査を東京都内、長野市、金沢市、大牟田市など13箇所で実施した。また、(2)米国における取り組みを把握するためにカリフォルニア州LAのリトルトーキョーにおいてインタビュー調査を実施した。その理由は、DV防止の取り組みが進んでいることと日系社会であるからである。そして、第4段階では、第1~第3段階の取り組みから得られた知見を基に、以下の「高齢者虐待防止のための養護者対応方法論の予備的仮定」を策定した。 養護者に関わる目的は、(1)被害高齢者の安全確保のため、(2)(1)の目的は該当しないが養護者自身に支援を要するための2つある。養護者は、虐待に至る背景要因を抱えながらも「選択された行動」として虐待行為をしている。選択された行動だと仮定すれば、養護者は自分がしたことの加害性を認め、責任を自覚し、その償いをすることによって再び虐待行為をしないことが可能となる。その際の養護者対応方法には、認知行動療法が考えられる。これらを踏まえて2年目の研究を進めていく。
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