2011 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の生活機能を支えるための保健・医療・福祉地域連携に関する研究
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22530621
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
秋山 美紀 慶應義塾大学, 総合政策学部, 准教授 (50439254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武林 亨 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (30265780)
内山 映子 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科, 特任准教授(非常勤) (00365503)
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Keywords | 地域連携 / 保健 / 医療 / 福祉 / 生活機能 |
Research Abstract |
平成22年度の成果を踏まえて、平成23年度は、以下の研究を実施した。 1.地域保健医療者追加聞き取り調査と地域プロファイルの突合・分析 地域レベルの因子を明らかにするために、山形県庄内地区や福井県名田庄地区等で、保健・医療・福祉機関を対象に聞き取り調査を実施した。その上で保健医療統計や福祉関連データを用いた地域プロファイルと突合して分析を行い、特に在宅医療における連携の指標を開発した。それらを用いて、二次医療圏単位、県単位の解析等を行い、その結果は日本公衆衛生学会にて発表した。また、山形県庄内地区におけるヒアリング結果の一部は、日本医学会総会と日本緩和医療学会にて発表した。 2.住民対象質問紙調査の実施と分析 複数地域で実施した地域住民の健康状態を把握する質問紙調査の結果をもとに、高齢者の生活機能を構成する「心身機能・身体構造」「活動」「参加」の関連を検討し、健康状態に影響を与える要因を探索した。調査項目は、日常生活活動度、抑うつ度、Quality Of Life、主観的健康観、ソーシャルキャピタルに関する質問、身体活動や運動習慣、生活習慣、既往・現病、介護保険利用、生活への満足感等である。 3.コホート設定のための準備 山形県鶴岡市においては、平成24年4月より、新しい地域在住高齢者集団の設定を行いデータ収集を開始するため、担当地区保健所、中核病院、医師会と検討を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2点の研究目的のうち、1点目「(1)ICF分類による生活機能の三要素「心身機能・身体構造」「活動」「参加」がどのように関連しているか、主観的健康観に加えて健診データ等客観的データを用いて検討する。」については、群馬県高崎市や宮城県栗原市においてデータを収集し、その分析が進んでおり、一部結果は学会で発表した。 2点目の目的「(2)地域レベルの因子について、保健統計や福祉関連データを用いた地域プロファイルと、保健・医療・福祉機関を対象としたアンケートや聞き取り調査から「保健、医療、福祉の連携に関する指標」を作成し、個人レベルの因子と組み合わせた分析を行う。」についても、既にデータ収集と分析が進み、一部結果は学会で発表した。一般高齢者の生活機能を支えるために地域としてどのように取り組むことが効果的か検討しているところである。 さらに、ひとつのフィールドでは、2012年度より新たな疫学コホート研究を立ち上げる準備も整った。このため当初の計画は十分に達成できたと判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度はこれまで行った調査のまとめを中心に行い、研究成果を査読誌へ投稿することも予定している。また、山形県鶴岡地区においては、2012年度より住民健診の受診者のデータを収集していくことになった。この場でも本研究で開発した質問紙調査を健診時に実施し、時間断面的に「心身機能・身体構造」「活動」「参加」がどのように関連しているかを検討するのに用いる予定である。
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