2012 Fiscal Year Annual Research Report
精神障害を持つ養育者と子どもの地域生活支援に関する研究‐介護を担う子どもの経験‐
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22530630
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
森田 久美子 立正大学, 社会福祉学部, 准教授 (40308127)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 精神障害の親 / ヤングケアラー |
Research Abstract |
平成24年度は、平成23年度から継続している障害者相談支援事業所を利用している精神障害の養育者に対する本人調査を実施し、得られたデータの分析、まとめを行った。 本人調査への協力者は、精神障害を持つ養育者9名であった。調査は、半構造面接によりデータ収集を行い、質的分析を行った。調査項目は、1.世帯状況、2.居宅状況及び労働状況、3.精神障害を持つ養育者の状況(健康状態と介護状況、生活状況、子どもとの関係)4.子どもについてである。 9名の協力者の性別は、女性9名、男性0名、年齢は37歳~70歳、親の精神疾患は、統合失調症9名であり、うつ病や人格障害等のものはいなかった。また、世帯構成は、単身(子どもが近くに別居)5名、ひとり親家庭3名、両親と同居1名で、一人で子どもを養育してきた者が多かった。 精神障害の親は、緊張を孕んだ配偶者との関係や脆弱な経済基盤の中で精神疾患の発症や再発、固定化、介護ニーズの発生を経験していた。協力者は全員、配偶者との離別を経験し、ひとり親となって子育てに取り組んできた。また、離別の要因は、離婚7名、死別2名であり、離別にあたって配偶者の浮気や借金、暴力等の緊張関係を経験している者が7名であり、それらが精神疾患の発症や再発、慢性化に影響を与えていた。また、本人の就業状況としては、無職8名、パート1名で、家族の中に稼働収入のある者は3名のみ、その他は生活保護のみまたは生活保護と障害年金で生計を立てていた。生活保護を受給している者は全員、精神疾患の悪化による入院を契機に受給に至っており、病状悪化の要因として経済的困窮を挙げていた。 また、親子関係の再構築が課題となっていた。子どもとの長期の分離を経験している者は6名であった。また、子どもが担っているケア役割は、アパートの保証人等であったが、相互にケア役割を担うことを通じて関係修復が図られていた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)