2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530631
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
加瀬 裕子 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (30296404)
|
Keywords | 認知症 / 夫婦 / ライフレビユー / コミュニケーション / 介護負担感 |
Research Abstract |
認知症患者本人と介護する配偶者を対象に、夫婦間ライフレビューを応用した非薬物療法の介入研究を行う。夫婦で週1回、6回のセッションにおいて、出会い・新婚期・子育て期・最近について写真(10枚以下)を選んでもらい、それにまつわる思い出語りを聴取する。その過程で、コミュニケーションの改善や介護負担感の改善について、尺度を使用して評価することが、本研究の目的である。 今年度は研究初年度であり、「夫婦間ライフレビュー」について、居宅介護支援事業所など地域介護サービス機関に内容を周知することが、第一の課題であった。説明会を開催し、地域で要介護高齢者と家族のために支援を提供するケアマネジャーや、地域包括支援センターの職員に、研究協力を依頼した。 しかし、居宅介護支援事業所から紹介をされる事例は、重度の認知症患者が多く、すでに言語的コミュニケーションが困難な患者が大半を占めた。これは、認知症が初期の段階では、本人や家族が介護サービスを利用する段階ではなく、日常生活に支障を生じる程度に認知機能が低下したところで、介護サービスを利用するためである。 研究に参加する意思を表明した3事例に対して探索的に介入を行った。初対面のインタビュアーに対しては、介護負担感を見せないようにする傾向が家族に存在し、セッションが進むにつれて介護負担感が示される事態が生じた。 認知機能の低下が著しく、家族介護者の介護負担について調査が困難であったにもかかわらず、介入を行ったいずれの事例でも介護する家族が、あらためて夫婦の関係について考える機会となったことを確認できた。 次年度は、試行の結果をふまえて、尺度の変更や研究協力者募集の方法について改善し、研究を進めていく計画である。
|
Research Products
(2 results)