2010 Fiscal Year Annual Research Report
障害者の権利擁護における多職種連携の有効性に関する研究
Project/Area Number |
22530632
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
岩崎 香 早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授 (20365563)
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Keywords | 多職種連携 / ソーシャルワーク / 権利擁護 / コンサルテーション / 障害者 |
Research Abstract |
ソーシャルワーク領域における研究では、二者関係に焦点化された研究は数あるが、連携の有効性を実証する試みは少ない。本研究では、視点を拡げ、多職種、他領域の専門家、当事者等を含めた調査を通して、多職種連携やコンサルテーションの現状と課題を把握し、人権を擁護するという視点から、有効な連携のあり方を提示したいと考えている。 2010年度は、福祉専門職のコンサルテーションを中心に日本の教育や研究の現状、関連領域における研究に関して文献研究を行った。その結果、現段階では、保健・医療・福祉現場での「連携」や「協働」と「コンサルテーション」の相違や相互の位置づけを明確に定義するには議論や実積が積み上がっていないが、コンサルテーションの視点や機能、方法やプロセスを明確化することは、他職種・他領域との連携や協働を促進し.福祉専門職の専門性や社会的認知の向上、専門職教育のあり方に対する貢献ができるのではないかと考えることができた。 そうした整理を前提に、2011年2月にソーシャルワーカーとチームで働く機会が多い医療・法律の専門家4名を対象としたインタビュー調査を実施した。その結果はまだ十分に分析できていないが、(1)多職種との連携の現状、(2)多職種チームにおけるソーシャルワーカーの機能、(3)多職種連携がサービスの質(人権擁護を含む)に与える影響に関してインタビューを行った。今後、調査結果に関する考察を深め、次年度は、インタビュー調査から導き出された仮説を元にグループインタビューを実施する予定である。多職種・他領域の専門家、当事者、SWへの調査を通して、双方向的な視点で現状と課題を把握し、人権を擁護するという視点から、有効な連携のあり方を提示できればと考えている。
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