2012 Fiscal Year Annual Research Report
中山間地域における高齢者の社会的孤立軽減に関する実証的研究
Project/Area Number |
22530637
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
斉藤 雅茂 日本福祉大学, 社会福祉学部, 准教授 (70548768)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 高齢者 / 社会的孤立 / 中山間地域 / 地域福祉 / 小地域ネットワーク活動 |
Research Abstract |
本年度には、当初の課題のうち、〔E〕見守り対象になった独居高齢者事例の分析と並行して、〔C〕見守り活動の実績と効果の分析、および〔A〕過去に実施した調査データの再分析を行い、3年間の研究成果の総括に取り組んだ。 Eについては、小地域ネットワーク活動の対象になった援助事例(6事例)が収集され、見守り活動をきっかけにして夜間訪問ボランティアや訪問型のサロン活動が展開されて孤立・閉じこもりが改善された事例や見守り協力員の早期対応によって孤立死を未然に防いだ事例などが示された。他方で、孤立の軽減という意味では、見守りという個別対応だけでは限界があることも示唆された。 Cについては、昨年度導入した「小地域ネットワーク活動支援データ管理ソフト」に基づいて、2時点目(2012年分)のダイアド・データが収集された(見守り協力員:293名、見守られる独居高齢者:199名)。これにより、当該地域では、見守りの担い手も受け手も拡大しており、同姓・同年代に偏ることなく見守り活動が展開され続けていること、より多くの協力員によって頻繁に見守りが展開されていた地区では、その後、孤立者数が相対的に少なく、見守り協力員からも孤立傾向にある高齢者が減ったと評価されているという結果が示された。 Aについては、大都市やベッドタウンと比べて、中山間地域では身体機能に障害がある人が孤立状態に陥りやすく(OR=5.41)、とくに中山間地域における高齢者の孤立軽減に際しては、外出を促す活動だけでなく、身体的な機能の低下を踏まえた訪問活動が有効であることが示唆された。また、地域特性を考慮した上でも、孤立状態にあることを含む、相対的剥奪や社会的排除に該当することがその後の健康度と密接に関連することが示された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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