2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530650
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Research Institution | Shitennoji University |
Principal Investigator |
原 順子 四天王寺大学, 人文社会学部・人間福祉学科社会福祉専攻, 教授 (60309359)
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Keywords | 社会福祉関係 / 障害児・障害者福祉 / ソーシャルワーク / 聴覚障害 / ろう者 / カルチュラル・コンピテンス / 相談支援 / 障害者ソーシャルワーク |
Research Abstract |
本研究は、聴覚障害者の生活上の諸問題に対する専門的相談支援の独自性・専門性を明確にし、「聴覚障害ソーシャルワーク」の領域を確立するのが目的である。具体的な研究方法としては、聴覚障害者を対象に相談支援をおこなっている専門職にインタビュー調査を実施し、その結果から「聴覚障害ソーシャルワーク」の独自性・専門性を明らかにする。そして「聴覚障害ソーシャルワーク」が進んでいるといわれているアメリカやイギリスを中心とした国々において、現地調査と文献研究とで情報収集し、「聴覚障害ソーシャルワーク」の専門性構築をおこなう。 3年間の研究予定の初年度として、まず、聴覚障害者を対象に相談支援をおこなっている専門職者13名にインタビューを実施した。13名の内訳は、国家資格(社会福祉士または精神保健福祉士)取得者が9名、国家資格をもたない者が4名で、そのうち聴覚障害者が6名、聴者が7名である。このインタビュー調査から導き出せる内容は種々あるが、まずは専門職者が実際の相談支援活動で有する共通のカルチュラル・コンピテンスの要素を抽出し、聴覚障害者を対象に相談支援をおこなう際に求められる専門性を明確にした。この内容に関しては、翌年度(23年度)に学会発表と論文作成を予定している。 海外調査については22年度は実施していないが、23年4月にアメリカでの専門職会議に出席したので、その成果をまとめる予定である。 22年度は上記の他に、聴覚障害者の就労支援における「聴覚障害ソーシャルワーク」の新たなモデル理論として、就労支援者の実践内容をもとに、ろう文化に視点をおいた「文化モデル」の重要性を論じた論文を完成させた。
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