2010 Fiscal Year Annual Research Report
韓国における貧困女性の自立支援のための市民事業に関する研究
Project/Area Number |
22530651
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Research Institution | Osaka University of Economics and Law |
Principal Investigator |
桔川 純子 大阪経済法科大学, アジア太平洋研究センター, 研究員 (40573184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
文 京洙 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (70230026)
秋葉 武 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (00340480)
熊本 理抄 近畿大学, 人権問題研究所, 准教授 (80351576)
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Keywords | 社会的企業 / 貧困 / 韓国 / 市民社会 / ジェンダー / 脆弱階層 / 市民事業 / 非営利協働 |
Research Abstract |
初年度は韓国での調査を中心に行った。日本でも注目されている2007年に韓国で施行された「社会的企業育成法」であるが、「社会的企業」が注目されるようになった社会的背景は日本とは非常に異なっている。韓国での調査では、法律の成立した背景について調査すべく、法律の制定に関わったイ・ウネ氏(ともに働く財団前事務局長)、貧民運動のリーダーの一人、キム・ホンイル神父にインタビューを行った。そし現場の状況を理解するために、韓国の知的障がい者がクッキーを製造する社会的企業「We Can」、外国人女性のバックグラウンドを活かした事業に取り組む「善良な旅行」でインタビューを行った。また、地方都市での状況を調査すべく清州の「移住女性人権センター」を始めとする忠清北道の社会的企業を訪問して中心メンバーたちと意見交換を行った。この調査では、法律が成立した社会的背景とその制定過程について調査することと、脆弱階層の女性、特に外国人女性を支援するための社会的企業を中心にヒアリングを行ったが、それらをベースに調査したメンバーで研究会を行った。 韓国では1960年代からキリスト教者を中心として、貧民運動が行われていたが、急激な経済成長によって生まれたひずみが都市を中心に「新たな貧困」として登場してきている。特に都市における住宅問題は深刻で、ビニールハウス、チョクパン(穴ぐら)という形で、最も貧困に苦しんでいる人々が集住している。このような韓国の貧困の状況を調査すべく、釜山、大田などの地方都市の貧民地域、またソウルの富裕層が住む江南地域に存在しているビニールハウスを訪問した。そして、ビニールハウスに住む人間の権利を確保すべく、裁判闘争を繰り広げ、ビニールハウスの改善に取り組んでいるソ・ヤンソク氏(ビニールハウス住居連合共同代表)にその状況をヒアリングした。 代表者の健康問題により、次年度への繰り越しとした研究内容は、以上のような現在の貧困の状況について、より詳しく調査したというものである。
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Research Products
(12 results)