2010 Fiscal Year Annual Research Report
ホームレス包括的アセスメントツール及び支援プログラムの開発的研究
Project/Area Number |
22530664
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Research Institution | Ashiya College |
Principal Investigator |
大宅 奈美子 芦屋女子短期大学, 文化福祉学科, 講師 (80455039)
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Keywords | ホームレス / アセスメント / 貧困 / 社会的排除 / 情報共有 |
Research Abstract |
本研究は、ホームレス者の心身及び生活状況を把握する包括的かつ簡便なアセスメントツールを、ビッグイシュー日本をベースに開発し、ニーズ調査の結果を踏まえた上で、希望者を含むビッグイシュー販売者支援プログラムを整理・構築することを目的とする。 支援プログラムには、スタッフによるインテーク、ケースマネジメント等の窓口的業務、リファーラル先として地域行政との連携、地域の医療機関との連携、地域における自己啓発やレクリエーション活動に関する社会資源の開発等を計画している。本年度はアメリカ・コロラド州の大規模なホームレス支援NPOであるColorado Coahtion for the Homeless (以下CCH)とコロラド大学の研究者らが共同開発した住宅、就労・修学、制度活用、身体的健康、精神保健、薬物使用の6領域を7段階でアセスメントするCCH Consumer Outcome Scales (以下CCH-COS)をベースに、日本の支援制度の現状やビッグイシュー販売者の状況を取り入れ反映させた修正日本語版を開発した。日本におけるビッグイシュー販売者やホームレス者の心身及び生活の状況を把握できるツール開発を追求したため、尺度の文言の厳密な翻訳のみを問うのではなく、表現や選択肢の修正を行う結果となった。続いてCCH-COS修正日本語版の信頼性及び妥当性の検証のため、CCH-COSオリジナル版の信頼性・妥当性検証の手続きに沿い、ビッグイシューの販売者を対象に面接及び質問紙調査を実施した。その結果CCH-COS修正日本語版の記入やレビューは簡便ではあるものの、アセスメントする側に専門的知識や聞き取りの技能が要求される精神保健や身体的健康領域においての信頼性及び妥当性確保が課題として上がり、スタッフ・トレーニングの重要性も浮き彫りになった。
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Research Products
(5 results)