2010 Fiscal Year Annual Research Report
ソーシャル・キャピタル構築への介入が介護予防に及ぼす効果に関する縦断研究
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22530666
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Research Institution | Chikushi Jogakuen Junior College |
Principal Investigator |
川島 典子 筑紫女学園大学, 短期大学部・現代教養学科, 講師 (30455092)
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Keywords | 介護予防 / ソーシャルワーク / ソーシャル・キャピタル / 一次予防事業対象者 / 縦断研究 |
Research Abstract |
本研究の目的は、地域のボランティアやNPO法人などのソーシャル・キャピタル(以下SC)を構成する要素の構築にソーシャルワーカー(以下SW)が介入することが一次予防事業対象者への介護予防サービスにおけるSWの重要な役割の一つであるという仮説の下に実証研究を行うと同時に、SC研究を政策に反映させているフィンランドとアイルランドにおけるSC政策の研究を行い、基礎研究を深めることにある。 平成22年度は、SWが結合型SCの町内会と橋渡し型SCであるNPO法人をつないで介護予防サービスを行っている三重県伊賀市と、SWが介入する前は保健師のみが介護予防サービスを行っていた島根県東出雲町において、65歳以上の要介護状態にない高齢者5000名を対象とし、(1)「主観的健康感」(2)「転倒歴」(3)「認知症の傾向」などについて尋ねる自記式アンケート郵送法による調査を行う予定であった。しかし、本研究申請前には調査の御協力に御快諾頂いていた両自治体共に、厚生労働省の第5次介護保険事業計画のニーズ調査(以下ニーズ調査)と本調査の調査票の項目が似通っていることから、調査を断られた。調査先については新たに早急に探す必要があるが、その候補先として、2003年の内閣府の試算で日本一SCが豊かだと試算された島根県の雲南町と、逆にSCが豊かではない地域であると試算された福岡県の筑紫野市・太宰府市・久留米市のいずれかと交渉する予定である。結合型SCと橋渡し型SCをつないで介護予防サービスを行っている伊賀市に関しては、ニーズ調査の項目から上記の(1)(2)(3)の結果のみを御提供頂く形で交渉を続けたい。フィンランドにおけるSC政策の基礎研究に関してはアカデミーオブフィンランドにおいて2004年~2008年にかけて行われた「ソーシャル・キャピタルと信頼のネットワーク」という国家プロジェクトについて、実際にフィンランドのユバスキュラに赴いて調査した。
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