2012 Fiscal Year Annual Research Report
自己と他者の特性情報集合間の認知的リンクに関する研究
Project/Area Number |
22530670
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
福島 治 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (40289723)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 自己知識 / 特性情報 / 社会的自己 / 自己概念 |
Research Abstract |
本研究の目的は、自己と他者の特性情報集合間の認知的リンクを明らかにすることであった。人々は異なる他者との間では異なる相互作用を展開することから、自己の特性概念の集合は、他者を条件として相互に独立的な部分集合によって構成されると仮定した。そして、その部分集合内の要素は、それと対応する他者に関する特性概念の使用によって利用可能性が高まることの検証を試みた。 実験では、他者(例:父)について特性語(例:神経質な)のあてはまりを判断した後に、同じ他者について事物(例:手帳)との関連性を判断した後よりも、この他者を条件とした自己(例:父といる自分)に関する特性判断が促進されると予想された。初年度は、必ずしもそのような結果は得られなかったが、実験の刺激語を変更したところ、次年度には友人に関する特性情報と友人を条件とした自己の特性情報の間のリンクを支持する結果が得られた。しかし、親に関する特性情報と親を条件とした自己の特性情報との間のリンクについては明確な証拠が得られず、また友人についても再現可能性を示すために、いま少し実験を繰り返す必要があった。今年度はそのための実験を行った。その結果、友人の特性情報と友人を条件とした自己の特性情報のリンクを支持する結果は再現され、また親の特性情報と親を条件とした自己の特性情報とのリンクについても支持的な結果が得られた。 これらの結果から、少なくとも友人や親のような実際の相互作用がある他者に関しては、そうした他者の特性情報と、その他者を条件とした自己の特性情報の間に相互リンクがあることが示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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