2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530677
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
田中 知恵 明治学院大学, 心理学部, 准教授 (50407574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原島 雅之 千葉大学, 学内共同利用施設等, 研究員 (20466717)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 社会系心理学 / 社会的認知 / 感情 / 自己関連情報 / 自己制御 |
Research Abstract |
1.実験室実験実施のための準備 本研究の第2の研究目的である目標への自己制御を組み込んだ感情と自己関連情報処理に関するモデルの検討のため、実験室実験実施の準備を行った(研究計画における研究4)。 研究1~3では、ポジティブ感情状態にある場合に、情報の受け手が自己の否定的な側面に対して注目し、また興味を持つ傾向が見られた。ただし、この効果は受け手が感情状態と不一致なヴェイレンスを持つ情報に注意を向けたため生じた可能性もあった。そのため、研究4では、親しい他者に対する情報をフィードバックされる条件も設け、ポジティブ感情の効果が目標への自己制御のために生じていることについて検討する。 自己条件と他者条件には、それぞれ自己もしくは親しい他者に関する情報を呈示し、その情報に対する注目の程度を測定する。他者条件では、友人同士のペアで実験参加させ、相手が回答した結果として情報をフィードバックする必要がある。そのため、昨年度実施した予備調査の結果を踏まえ、実験における情報フィードバックの手続きについて精査した。またデータ取得方法に関して検討した。これらをもとに、実験にて用いるプログラムを計画し、その作成を依頼した。 2.予備実験の実施とプログラムの修正 上記プログラムによって適切に実験が実施できることを予備実験により確認し、修正点に関して検討した。特に、データ収集の方法に関して変更し、集合での実験実施が可能となるよう改善した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
第一の研究目的である自己関連情報処理時の感情状態の役割に対する検討に関して、研究1(実験室実験)ならびに研究2(質問紙調査)、研究3(質問紙実験)を実施し、おおむね仮説を支持する結果を得た。それらの結果を踏まえ、第二の研究目的である目標への制御を組み込んだ感情と自己関連情報処理に関するモデル構築のため、研究4(実験室実験)を実施する。昨年度予備調査を実施したが、その結果に基づいて新たな実験プログラムを作成する必要が生じた。そのため当初予定していた時期よりもやや遅れたものの、プログラムの作成ならびに問題点の改善が進み、実験を実施する準備が整った。
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Strategy for Future Research Activity |
実験手続きに関して検討した上で、研究4を実施する。それらの結果の分析を進めるとともに、研究知見を総括してモデルの精緻化を目指す。学会や研究会での発表、学会誌への論文投稿などにより、研究成果を報告する。
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