2013 Fiscal Year Annual Research Report
立場が異なる相手との相互作用を阻む否定的な推測の生起過程と修正方略の実験的検討
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22530679
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Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
工藤 恵理子 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (50234448)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 社会心理学 / 社会的認知 / 視点取得 / 潜在的態度 |
Research Abstract |
(1)2012年度に実施した他者の心的状態を推論する方略(認知的視点取得とシミュレーション)の違いを検討した実験の参加者数が十分でなかったため,追加の実験を実施した。追加のデータを含めた分析結果を日本社会心理学会において発表した。自分とは立場が異なる他者の視点取得をした場合,予測とは逆に相手に対する顕在的態度は好ましくなっていた。補足的に測定した変数の分析から,視点取得をした場合,将来的に相手と同じ集団に属したいという希望が強まっており,このことが顕在的態度を好ましくさせていた可能性が考えられる。一方,シミュレーション方略によってはこのような影響は認められなかった。 (2)異なる立場で協働作業を行う想定での実験を実施し,シミュレーション方略により相手の心的状態を想像することの影響を検討した。具体的には異なる役割で1つの課題に取り組む状況を設定し,相手と自分のそれぞれの貢献度評価に対する相手の心的状態を想像することの影響を検討した。コントロール条件としては,自分では課題を実施しないが,課題を行っているペアの遂行情報を得てそれぞれの貢献度を評価する観察者を設定した。その結果,実際に課題を行った参加者においては,相手が貢献度についてどう考えているか,自分だったらどう思うかと想像してから貢献度評定をした方が自身の貢献度を高く評価する傾向が認められた。逆に自分では課題を行わない観察者においてはむしろ反対の方向の効果が認められた。一方,潜在的態度については相手の心的状態を想像することの影響は認められなかった。 (3)視点取得や共感に関する研究のレビューを行った。特に愛他的な行動,判断は時間的な制約の下で生じ易いという研究知見とむしろ熟慮した方が愛他的な行動,判断が生じるとする知見が混在していた。熟慮がどのような思考を導くのかという点の検討が必要であることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)