2011 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の交通モビリティを高める安全運転支援手法の研究
Project/Area Number |
22530684
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
尾入 正哲 中京大学, 心理学部, 教授 (70185180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 希宏 中京大学, 心理学部, 教授 (10182065)
岸田 孝弥 中京大学, 心理学部, 教授 (00106262)
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Keywords | 交通安全 / 高齢者 / 作業分析 / 方向感覚 / グループワーク / 教育手法 |
Research Abstract |
平成23年度には、以下の3つの課題について、それぞれ次のような内容を実施し、研究成果を得た。 1.高齢者の不安全行動をカバーする支援手法の研究 昨年度に引き続き、高齢者の自動車・自転車運転時の運転行動特性を把握する実験研究を行い、高齢者に対する交通安全支援手法について検討した。1)高齢ドライバーについては、自動車教習所内のコースで、ジャイロセンサーを装着して確認回数や確認の深さについてのデータを得た。2)自転車走行実験では、教習所のコースで障害物を設置してジャイロセンサー装着による走行位置と確認行動を分析した。自転車走行については、自動車の運転免許の有無による確認行動の違いが大きいことが見出され、教育機会の重要性が示唆された。 2.高齢者の方向感覚支援手法の研究 高齢者のデータと比較するために大学生を実験参加者として、地図上に記されたルートを記憶し紙上に再生するという実験課題を行った。こうした経路再生課題における目印(ランドマーク)の有無や、記憶時と再生時の地図の向きの同異について再生成績の違いを検討した。予想に反して目印の有無は再生成績に影響がなかった。その後、高齢者を対象にした実験を実施した。 3.運転支援手法普及のための教育手法の研究 名古屋市内において、交通安全意識や地域の交通環境について、グループワークを基にした高齢者の意見交換会を行った。老人会に代表される地域の集まりが、交通指導・警察からの情報提供などの点で高齢者の交通事故抑制における重要な機能を担っていることが分かった。また、高齢者は警察が開催する交通安全教室に対し、交通安全意識の向上に役立つと考え、さらに高齢者と警察が意見を交換することが必要であるとも述べていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各研究課題について、それぞれ一定の進展をみている。反面、各研究課題が各々独自の展開を見せており、最終年度に向けて研究全体としての統一性を目指した再整理が必要であると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
交通安全、特に高齢者の安全に関しては自動車運転だけでなく、自転車運転時の事故防止が緊急の課題になっている。その意味で本研究の内容においても、当初は高齢ドライバーを主な対象と考えていたが、次第に自転車に関する検討を含めることが必要になってきた。当然、公道における運転という意味では、自動車(バイク含む)と自転車には共通点も多いため、自転車についてのデータも研究にふくらみを加えるものとして積極的に収集することとする。また、研究の最終年度に向けて、3つの個々の研究課題の独自性を意識しつつも、全体としてのまとまりを考慮して、調整を行っていきたい。
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Research Products
(3 results)